2021年7月5日月曜日

ポストコロナが新たにめざす社会構造とは・・・

ル・ルネサンスの準備すべき事項として、政治、経済、社会などの社会知(社会識知)の改革が必要だ、と述べてきました。

今回のコロナ禍でいみじくも露呈した、グロ―バル化、民主主義制、市場経済制などの欠陥をどのように是正していけばいいのか、という、深刻な課題です。

とりあえずは、時代識知の視点から、「分節化から合節化へ」「数値絶対化から数値相対化へ」「システム化からストラクチャー化へ」という、3つの方向を提案してきましたが、これらをより具現化していくためには、さらに鳥瞰的な視点からの検討が必要です。

そこで、社会構造の歴史的な推移として、人間社会全体がいかにして運営されてきたかという、統合的な視点から振り返ってみたいと思います。

具体的に言えば、過去の5つの人口波動の、それぞれの人口容量の中で、一人一人の人間の命がどのように扱われてきたかという共同体の構造を、次のような事象によって明らかにすることです。

生活資源の生産をどのように分担してきたか・・・生業

②生産された生活資源をどのように分配してきたか・・・分配

③個々人の自己実現をどこまで可能にしてきたか・・・共同体

3つの視点から、5つの波動における社会構造の推移をざっと確認しておきましょう。

主な事象は以下のとおりです。

❶石器前波では、狩猟や植物採集を生業としつつ、自給・自足によって自己や血族などの生活必要財を確保・分配するような、血縁・地縁による共同体を作られていました。

❷石器後波では、狩猟・採集・耕作を生業として、自己と血族内での自給地縁内部での互酬による分配を行うような、地縁や集落による共同体が形成されていました。

❸農業前波では、農耕や牧畜を生業としつつ、血族や近隣共同体の内部における互酬や仕分けによって分配を行うような、村落や町衆などの共同体が生まれていました。

❹農業後波では、集約的な農業や手工業などを生業としつつ、一定地域における市場を形成してより地縁的な分配を可能とし、それらを保障する村落や都市、さらには国家という共同体を形成されていました。

❺工業前波では、工業を中核とする産業分業体制でグローバルな次元においても生業を実現し、国家規模の市場経済体制で生活民全体の分配を図れるように、企業という生産集団やそれらを統御する都市や国家を実現してきました。

過去の5つの波動が生み出した社会構造は、およそ以上のようなものですが、これらは前後でどのように関わりどのように変化してきたのでしょうか。

さらには、これらの延長線上で、工業後波の社会構造はどのように生み出されていくのでしょうか。

2021年6月25日金曜日

ル・ルネサンスは集約・統合的な社会知をめざす!

ル・ルネサンスが準備すべき事項として、先に述べたように、①集約的・統合的集中性という知性の回復、②集約的なNew Science(新科学)の準備倫理・使命感を持ったNew Cosmology(新世界観)の創造、の3つを挙げています。

②③についてはすでに述べましたので、今回は➀集約的・統合的集中性という知性の回復を考えてみます。

前回、科学という識知の新たにめざすべき方向として、「言語機能は分節化から合節化へ」「数値機能は数値絶対化から数値相対化へ」「把握機能はシステム化からストラクチャー化へ」の、3つを提案してきました。

こうした転換は科学に限ったことではなく、科学を基盤としている、現代社会のあらゆる知的分野に及んでいくと思われますが、とりわけ急がれるのは、政治、経済、社会などの社会知ではないでしょうか。

今回のコロナ禍で現代の社会構造には、【ポストコロナは「ル・ルネサンス」へ!】以降で度々指摘してきたとおり、グロ―バル化、民主主義制、市場経済制などにおいて、さまざまな混乱が露呈しています。

グロ―バル化・・・コロナ禍への対応が混乱するにつれて、国際機関の空洞化、国際市場経済制の欠陥化、食糧・資源・燃料などの枯渇化といった現象が目立ち始め、安易なグローバリズム信仰が大きく動揺しています。

民主主義制・・・多くの国家が採用している間接民主制についても、❶制度固定化による無力感や不信感の増加、❷政党選挙制による個別意見の排除、❸代議制による政治的無関心の拡大、❹投票者は政策内容・実施状況の検証・理解が困難、❺選挙活動における利益誘導や投票誘導などの不正など、その限界が露呈しています。

市場経済制・・・資本主義国家はもとより、国家資本主義国家においても、❶資本の寡占化や横暴化が進み、❷所得格差の慢性的拡大、❸大量生産-大量消費の害毒化、❹物質的拡大限界化に伴う情報的過剰化・弊害化など、市場経済制度そのものの限界が目立っています。

こうした混乱を乗り越えていくには、科学における識知転換を大きく援用して、社会制度の設計においても、「言語機能の合節化」「数値機能の相対化」「把握機能のストラクチャー化」といった、3つの側面から再検討していくことが必要だと思います。

詳細な検討が求められると思いますが、ひとまずは基本的な方向をあげておきましょう。

グロ―バル化・・・過剰な国際分業を見直し、国際分業と国内自給を整合化することや、国際交流の量的拡大を超えて、質的な充実をめざすために、点と線による一元的な国際交流から、何層かの面を重ねていく多元的な国際交流へと転換していきます。

民主主義制・・・間接民主制の弊害を超えるため、直接民主制の利点を再導入したり、全てを数で決していく多数決絶対制を見直して、少数意見を的確に反映できる合意形成方式を生み出すなど、点と線による権力集中的な国内統治から、面と面を重ねて民意を統合する国内統治へと、それぞれ移行していきます。

市場経済制・・・圧倒的な市場交換中心経済から、生活民一人一人の自給や物々交換を活かせる経済構造に向かって、数量的な指標を優先する行動視点から、量と質の調和をめざす行動視点への転換を図り、点と線による効率優先の生産・分配方式から、面と面を重ねて中身を濃くする生産・分配方式へと、それぞれ転換していきます。

以上の記述は、まったく新たな目標の設定ともいえますから、従来の用語では表現できない事象が多々現れてきます。

詳細な説明は後述することにして、とりあえず大きな目標をあげておきます。

2021年6月15日火曜日

ル・ルネサンスは集約・統合的科学をめざす!

・ルネサンスが準備すべき事項として、先に述べたように、①集約的・統合的集中性という知性の回復、②集約的なNew Science(新科学)の準備、③倫理・使命感を持ったNew Cosmology(新世界観)の創造、の3つを挙げています。

③については前回述べましたので、今回は②集約的なNew Science(新科学)の準備を考えます。

ポストコロナの50100年の間に、現在の粗放的・分散的な科学を超える、集約的・統合的な科学を果たして準備できるのでしょうか。

それに求められる、時代識知の条件を大局的に考えてみると、次の3つが浮かんできます。


順番に説明していきましょう。

分節化から合節化へ

言語を使う、最も基本的な方向として、対象を仕分けして理解することよりも、分けられた対象を合わせて理解する方向へ、と重心を移していくことが求められるでしょう。

分析や解析で得られたコト(言葉)をどのように組み合わせて、新たなコトをいかに創り出していくのか、その方向へ思考の動きを移していくということです。

分析対象を理解する作業でいえば、作業を細かく分業化したうえで全体を取りまとめる方式から、分業はするものの、絶えず全体を念頭に置いて、分業と統業を繰り返していく方式へと移行させていくのです。

数値絶対化から数値相対化へ

工業前波を創り出した科学技術が大きく依存している数値記号思考を、より広い思考方式へと移行していくことが求められます。

現代社会の思考における数値絶対主義は、感覚の捉えたモノコト界を分節的に把握する識知能力の一つにすぎません。

科学技術をさらに進めようとするなら、数値記号と対象観念の間の固定的な枠組みをもう一度見直して、数値が分節化できない対象をも表現できるような、新たな数値記号を生み出すとともに、それらを論理化する、新たなシンタックス(統辞法)の創造が求められるでしょう。

システム化からストラクチャー化へ

分節化で得られた事象の核を網の目状に捉えて全体を理解するという思考方式から、合節化された対象を風呂敷状に重ね合わせて全体を理解するという把握方式へ、思考行動を移行させていかなければなりません。

特定の目的を素早く達成する思考方式としては、網の目状の「システム」の方が確かに適していますが、全体的・本質的な中身をつかんで理解していくには、風呂敷状の「ストラクチャー」の方がふさわしいと思います。

いいかえれば、便利な「システム」思考が全体から漏らしてしまった事象、それもまた、そっくりそのまま把握できるような「ストラクチャー」という思考方式が、改めて求められるのです。

以上のように、ル・ルネサンスが挑戦すべき新科学の準備においても、誰もが疑っていないような現代科学技術の基底論理そのものの見直しがが求められるでしょう。

2021年6月4日金曜日

ル・ルネサンスは新世界観を生み出す!

前回述べたように、・ルネサンスのめざす、新たな方向の一つとして、「倫理・使命感を持ったNew Cosmology(新世界観)を創造・並立し、分散型社会の暴走や弊害を抑えること」が求められます。

モデルとなる農業の識知構造では、集約農業を生み出した万物合観(Integrationism)とともに、宗教(Religionという倫理・使命的世界観が並立していました。

高度な農業文明による社会・経済構造が生み出され、さらに個人の人生や社会の在り方を明示する世界観が、世の中をリードしていた、といえるでしょう。

ところが、私たちが生きている工業前波では、粗放的な科学技術観のみが拡散し、全体がどこへ向かうべきかを示す世界観が極めて脆弱な状況にあります。

政治も経済も学問も、いずれも効率的な科学技術志向にのみ支配され、個々の人生や社会全体がどこに向かうべきなのか、こうした目標はほとんど議論されていません。

いいかえれば、700年前にルネサンスが破壊した中世宗教的世界観が、その後も弱体化したまま続いており、それらをカバーするような、新たな倫理・使命的世界観が未だ生み出されていないのです。

とすれば、ポストコロナで始まる、今回のル・ルネサンスにおいても、今後50100年の間に、集約的な科学技術の萌芽に加えて、まったく新たな世界観の創立もまた求められることになるでしょう。

工業後波のモデルとなる農業では、時代識知としての宗教が、【農業後波はリリジョンが作った?】で述べたように、農業前波(BC3500AD400年)の下降期から農業後波(AD400~1400年)の始動期に、新たに生み出され、ほぼ確立されています。

この時期に生まれた、さまざまな宗教のうち、現代にまで強く継承されているのは、仏教、ヒンドゥー教、キリスト教、イスラム教の4大宗教です。

仏教BC463年インドに生まれたガウタマ・シッダールタにより創始され、BC41世紀に経典化が進みました。紀元前後にサンスクリット語の大乗仏典が編纂され、AD2世紀には大乗仏教として中国へ伝播しています。

ヒンドゥー教はインドやその周辺の庶民信仰が受け継がれて、BC4世紀頃にインダス川周辺で原型が形成され、AD2世紀にグプタ朝において発展し定着しました。ヒンドゥー教聖典群プラーナは、AD314世紀の間に成立したものと推定されています。

キリスト教BC4、ユダヤに生まれたイエスが創始し、AD3~5世紀に新約聖書として文書化が進みました。

イスラム教AD570年頃アラビア半島に生まれたムハンマドを開祖とし、AD650年にコーランとして文書化されています。

こうしてみると、4大宗教は概ねBC5AD6世紀頃に創始されていますが、文書として経典化され始めたのはAD17世紀であり、AD5世紀頃からの農業波を立ち上げる原動力となった、と思われます。

とりわけ、仏教、ヒンドゥー教、キリスト教の3つは、農業波の飽和~下降期に始まり、下降~始動期に識知体系を整えています。

この時期は、農業波の末期にあたるラストアンシェント(Last Ancient200650年頃)であり、次の農業波を創りだすための「一つ前のルネサンス(Former Renaissance」とでもよぶべき時代でした。

とすれば、工業前波の下降期(20302100?年)であるル・ルネサンスにおいても、新たな世界観が準備される可能性が十分に予想できます。

2021年5月25日火曜日

コロナ禍は宇宙からの警告では?

 「今のコロナ禍は戦争ができなくなった人間に対する自然または地球の人口調節である」

文壇の大御所、筒井康隆先生が「偽文士日録」に書かれたご見解です。

お説のとおりで、筆者もまた25年前から「人口は人口容量の限界で減少に転じる」という「人口抑制装置」論を提唱し、『人口波動で未来を読む(日本経済新聞社:1996)や『日本人はどこまで減るか』(幻冬舎新書:2008)などの著作で展開してきました。

とすれば、今回のコロナ禍は、地球の資源を食い尽くし、かつ汚染物資を垂れ流しつつ、無節操にも人口を増やし続けている人類に向けて、宇宙が諫めた警告ともといえるでしょう。

そこまではともかくも、ルネサンス以降、西欧の主導により、600年ほど続いてきた近代社会は、既に述べたように、物量的限界に達した工業技術形骸化した民主主義格差拡大する経済制度過剰分業・分散化する国際社会そして思考基盤としての分断的科学技術など、その限界をまざまざと示しています。

人類が自らの力で解決できなければ、宇宙の摂理はポピュレーション・キャパシティーの限界という形で、強烈なショックを与えてくれます。

700年前に黒死病の大流行が、中世社会の限界をさまざまに露呈させ、新たな方向を模索するルネサンスを引き起こました。それとほとんど同じことが、今や起ころうとしているのです。

以上のように考えると、ポストコロナのル・ルネサンスとは、人類が新たに目ざすべき方向を模索させてくれる、絶好の機会ともいえるでしょう。

いいかえれば、ル・ルネサンスとは、現在の工業現波の次に始まる、新たな人口波動の準備期間なのです。

何を準備すればいいのでしょうか? ルネサンスが農業後波から工業現波への移行を準備したことを先例とすれば、ル・ルネサンスには工業現波の前半、つまり工業前波から工業後波への移行を模索することが期待されます。

前回も触れたように、農業後波の識知構造をモデルとして、次のような方向をめざすことだともいえるでしょう。

◆工業前波を主導してきた「分散的・個別的充足性」という理性を細かく反省して、もう一度集約的・統合的集中性」という知性を回復させること。

◆工業前波の粗放的なScience(科学)の後に、集約的なNew Science(新科学)の到来を準備すること。

倫理・使命感を持ったNew Cosmology(新世界観)を創造・並立し、分散型社会の暴走や弊害を抑えること。

要するに、今回のコロナ禍によって、人類の歴史は今や新たな段階に向かい始めている、ということです。

私たちは人類の文明の最先端に立っているように思いがちですが、必ずしもそうではありません。

超長期の人口波動からみれば、石器文明、農業文明の後、工業文明によって工業前波を起こしはしたものの、未だ粗放的な科学技術によって自然破壊や社会的混乱を引き起こし、その前半を終わろうとしているに過ぎません。工業前波の後には必ず工業後波がやってくるのです。


今後は、上記のような時代識知を育成することによって、工業波動後半の波、つまり工業後波を大胆に創り上げていかなければなりません。

2021年5月15日土曜日

ルネサンスが破壊した統一構造をル・ルネサンスは再興する!

・ルネサンスの進むべき、3つめの要件は「工業後波は農業後波の時代識知を利用する」です。

元々のルネサンスは、【ル・ルネサンスの要件・・・ラストミドルがモデルになる!】で述べたように農業前波の時代識知「ミソロジー」構造を再興することでよって、工業前波を創り上げました。

ここでいう「Mythology(神話)」構造とは、農業後波の「Religion(宗教)」の支配する「統一的・集団的拘束性」を一旦抑え込んで、それ以前の「分散的・個別的充足性」を回復させること、それを意味しています。

こうした先例を応用すると、今後のル・ルネサンスに期待されるのは、工業現波の「Science(科学)」の支配する「分散的・個別的充足性」をしばらく抑え込んで、もう一度「統合的・総合的集中性」を回復させること・・・となるのではないでしょうか。

この動きを新たな世界観の模索と考えて、仮に「ニュー・コスモロジー(New Cosmology」志向と名づけると、それが直に影響してくるのは、次の3つの分野だと思います。

学問・観念分野・・・自然科学、社会科学、人文科学などに分散した、現代の識知構造の基盤にある科学的思考と、その特性である「分散的・個別的充足性」を徐々に修正し、「統一的・集合的」な「New Science(新科学)?」の樹立をめざします。

分析・数量化志向で細分化された思考方法の上に、それらを統合・連結化する方法を取り入れ、領域を超えた知的行動の充実を実現していきます。

社会組織分野・・・政治、行政、経済、企業、自治体、病院など、さまざまな組織に分散した、現代の社会機構に対し、他の分野との連結をできるだけ拡大させ、統合的な連帯行動を実施できるような仕組みを強化していきます。

強度な専門・分担意識による専業化によって、全体的・総合的な対応力を縮小させてしまった分断組織に向けて、分野を超えた共同行動を促し、統一的な目標の実現をめざすことともいえるでしょう。

時代識知次元・・・ルネサンスが厳しく破棄してしまった「Religion(宗教)」の「統一的・集合的並立性」の視点をもう一度復活させるべく、新たな世界観(New Cosmologyを生み出して、Science(科学)と並立させていきます。

過去の人口波動を振り返ると、石器前波の生命力(Dynamism)から後波の霊魂力(Animism)へ農業前波の神話(Mythology)から後波の宗教(Religion)へと、分散的認識から統括的認識へ、つまり分節化から合節化への移行が見られました。

こうした変化は、前者を後者が否定したものと捉えるべきではなく、むしろ前者と後者の並立をめざしたものだ、と理解すべきでしょう。

個々の生命力を霊魂として統一化したり、さまざまな神々を中央神との連携として位置づけるなど、両者の並立化が進んだのです。

以上のように考えてくると、人口波動の前・後波では、前波では分立志向が、後波では統合志向が、それぞれ生まれてきますが、両方の志向は移行するのではなく、後波において並立するのだ、とも考えられます。


農業前波で育った、さまざまな神々は、農業後波においては、エホバや大日如来などの中央神と並立したということです。

こうしたトレンドを工業現波に当てはめれば、工業前波のScienceが作り出した、さまざまな合理性と、工業後波で新たに生み出される新世界観(New Cosmologyがともに連立し、互いに連携をとりつつ、人類の世界を充実化させていくのではないか、と予想できます。 

極端にいえば、約700年前からの、元々のルネサンスが悉く破壊してしまった統一構造を、今回のル・ルネサンスではもう一度復興させ、過去の2つの後波のように、両者を並立させていくことになるでしょう。

2021年5月4日火曜日

ル・ルネサンスは工業後波をめざすのか?

・ルネサンスの進むべき、2つめの要件は「工業前波から工業後波へ」です。

前回述べたように、人類の人口波動において、過去の4つの波動は2つずつペアになっていました。つまり石器前波と石器後波農業前波と農業後波です。

とすれば、現在の工業現波もまた、前波と後波に分かれてくるでしょう。

私たちの生きている工業前波は未だ工業波動の前半にすぎず、これが終われば、次の工業後波が始まる、ということです。

工業後波とは、どのような特性を持つものになるのでしょうか。

過去の4波動における発展構造を、技術、生業、共同体などで整理してみると、次表のようになります。

この表を基に、前波と後波の関係を推測してみると、次のような関係が浮かんできます。

➀技術では、旧石器から新石器へ、粗放農具・金属器から集約農業技術へと、粗放段階から集約段階への移行が見られます。

②生業では、狩猟・採集から狩猟・採集・耕作へ、粗放農業から集約農業へと、基礎次元の生産から高度次元の生産への移行が見られます。

③共同体では、血縁・地縁から地縁・集落へ、村落・市井から村落・都市・国家へと、縁故的な単位集団から広域的な連合集団への移行が見られます。

④識知では、生命力(Dynamism)から霊魂力(Animism)へ、神話(Mythology)から宗教(Religion)へと、分散的認識から統括的認識へ、つまり分節化から合節化への移行が見られます(詳細は後述します)。

以上を参考にすれば、工業には、次のような特性が予想できます。

❶技術では、粗放的機械生産から集約的機械生産へ進展します。

❷生業で、工業・分業化から工業・統合化へ移行します。

❸共同体では、企業・都市・国家から3団体+新共同体へ移行します。

❹識知では、科学(Science)から統合的科学(Integrated Science)へ進展します。

以上のような基礎的要件の変化を前提にしつつ、ル・ルネサンスには、コロナ禍が摘発した現代社会のさまざまな欠陥を、速やかに改善していく発想力が求められます。

例えば物量的限界に達した工業技術、形骸化した民主主義、格差拡大した経済制度、過剰分業・分散化する国際社会、そして思考基盤としての分断的科学技術など、それぞれを基盤から見直して、大胆に再構築していかなければなりません。