2021年6月15日火曜日

ル・ルネサンスは集約・統合的科学をめざす!

・ルネサンスが準備すべき事項として、先に述べたように、①集約的・統合的集中性という知性の回復、②集約的なNew Science(新科学)の準備、③倫理・使命感を持ったNew Cosmology(新世界観)の創造、の3つを挙げています。

③については前回述べましたので、今回は②集約的なNew Science(新科学)の準備を考えます。

ポストコロナの50100年の間に、現在の粗放的・分散的な科学を超える、集約的・統合的な科学を果たして準備できるのでしょうか。

それに求められる、時代識知の条件を大局的に考えてみると、次の3つが浮かんできます。


順番に説明していきましょう。

分節化から合節化へ

言語を使う、最も基本的な方向として、対象を仕分けして理解することよりも、分けられた対象を合わせて理解する方向へ、と重心を移していくことが求められるでしょう。

分析や解析で得られたコト(言葉)をどのように組み合わせて、新たなコトをいかに創り出していくのか、その方向へ思考の動きを移していくということです。

分析対象を理解する作業でいえば、作業を細かく分業化したうえで全体を取りまとめる方式から、分業はするものの、絶えず全体を念頭に置いて、分業と統業を繰り返していく方式へと移行させていくのです。

数値絶対化から数値相対化へ

工業前波を創り出した科学技術が大きく依存している数値記号思考を、より広い思考方式へと移行していくことが求められます。

現代社会の思考における数値絶対主義は、感覚の捉えたモノコト界を分節的に把握する識知能力の一つにすぎません。

科学技術をさらに進めようとするなら、数値記号と対象観念の間の固定的な枠組みをもう一度見直して、数値が分節化できない対象をも表現できるような、新たな数値記号を生み出すとともに、それらを論理化する、新たなシンタックス(統辞法)の創造が求められるでしょう。

システム化からストラクチャー化へ

分節化で得られた事象の核を網の目状に捉えて全体を理解するという思考方式から、合節化された対象を風呂敷状に重ね合わせて全体を理解するという把握方式へ、思考行動を移行させていかなければなりません。

特定の目的を素早く達成する思考方式としては、網の目状の「システム」の方が確かに適していますが、全体的・本質的な中身をつかんで理解していくには、風呂敷状の「ストラクチャー」の方がふさわしいと思います。

いいかえれば、便利な「システム」思考が全体から漏らしてしまった事象、それもまた、そっくりそのまま把握できるような「ストラクチャー」という思考方式が、改めて求められるのです。

以上のように、ル・ルネサンスが挑戦すべき新科学の準備においても、誰もが疑っていないような現代科学技術の基底論理そのものの見直しがが求められるでしょう。

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