2019年4月13日土曜日

「令和明天」時代の基本トレンドを読む!

令和・明天シンボル 令和明天」はどのような時代になっていくのでしょうか。

詳細な展望については、すでに拙著『
平成享保・その先をよむ:人減定着日本展望』で述べていますが、このブログでも度々触れてきましたので、一通り整理しておきましょう。





 ポイントは5つです。

人減定着化
超長期的な人口推移で見る限り、少なくとも今後50~60年間は人口減少が継続し、それとともに社会や経済もまたそれに対応した構造に変わっていきます。・・・【人口減少→人減定着→人口回復:2017年12月10日】

脱拡大・入濃密(コンデンス)化

人減定着に対応した社会構造とは、人口増加に支えられた成長・拡大型ではなく、人口減少に見合った飽和・濃密型を意味しています。・・・【飽和・濃縮の時代へ!:2016年6月21日】

産業構造のコト主導化

人口容量を支える文明が物的な拡大に限界を見せ始めると、過去の人口減少期と同様、産業の中核は電機や自動車などモノ=ハード産業からAIやIoTなどコト=ソフト産業へ移行していきます。・・・【トイレットペーパーはなぜ記号化するのか?:2018年6月29日】

税収財源の見直し化

従来の工業産業中心の徴税構造を見直し、AI財閥や新富裕層などに適切な税負担をさせる、人口減少時代にふさわしい税制度を作り上げていきます。・・・【ポスト平成が見習うべきは・・・:2018年3月8日】

地域人口の平準化

人口容量が限界に達し、地方から人口減少が進んでいますが、東京圏の限界もまた明らかになるにつれて、全国の人口分布は平準化していきます。・・・【人口の地方分散が始まる!:2018年3月30日】

以上のような展望にはいうまでもなく、その前提として、日本を取り巻く国際情勢の変化が影響しています。

この件についても、世界の人口波動から予測した「ラストモダン社会化」を、【
人口波動で世界の未来を読む!:2018年4月19日】や【21世紀の国際情勢は・・・:2018年4月27日】などですでに述べていますが、要約すれば次の通りです。

 21世紀中葉の世界は「ポスト・パックス・アメリカーナ」です。

アメリカ合衆国が弱体化し、EU(ヨーロッパ共同体)もまた解体の危機に陥るため、世界各国で右派政権が次々に登場してくるとともに、中近東での地域紛争や、アメリカとアジア諸国間の紛争拡大も予想されます。

アメリカ主導で進展したグローバル化経済もまた、2050年を過ぎると、世界的な労働年齢人口の停滞に伴って、次第に減速していきます。

一方、インターネット文化が引き起こしたポピュリズムやオクロクラシー(衆愚政治)も、人口の飽和化が進むにつれて反省が巻き起こり、世界各地でネオ・コミュニティズム(新地縁主義)脱市場主義など、「ポストモダン」ならぬ「ラストモダン」の思想を育んでいきます。

こうしてみると、「令和明天」時代とは、世界波動においても日本波動においても、現在の「工業前波(工業現波の別名)」が終焉し、次の「工業後波」が始まる前の、一大過渡期として位置づけられるでしょう。

2019年4月5日金曜日

なぜ「令和明天」なのか?

「平成享保」から「令和明天」へ、これからの時代は変わっていきます。

前回、このように書いたところ、「なぜなのか?」とか「どういうことなのか?」というご意見やご質問を、フォロアーの皆様からいただきました。

そこで、もう少し説明を加えさせていただきます。

もっとも、この件については、このブログで何度も触れていますので、リンク先を明示しつつ、その要点のみを示すことにします。

最初は、この展望が筆者の提唱する社会予測手法
人口波動法」に基づいている、ということです。

長期的な人口推移には5つの波が推定でき、それぞれの波には【始動―離陸―上昇―高揚―飽和―下降】の6つの時期が設定できます。この6つの時期には「人口が波を打つ」という構造のゆえに、それぞれ
独自の構造が推定できます。

それゆえ、「今後の人口がどのような推移を辿るか」がおおまかに予想できれば、過去の時期を参考にして、今後の社会もまた推測できる、ということです。

このような視点に立って、今後40~50年間の社会を推定してみると、ほぼ間違いなく人口の【下降】期になっていきます。

とすれば、一つ前の人口波動である「農業後波」の【下降】期の社会を参考にして、その行方を推定することができます。

実際に比較したものが、【
「平成享保」から「××明天」へ!:2018年4月10日】です。なおこの比較で、今後の人口予測は筆者が独自に推計したもので、その手順は【人口容量に本格的な余裕が生まれると・・・:2017年10月8日】で述べています。
 
この図の「××明天」を「令和明天」に置き換えてみると、下図になります。



この図を素直に見れば、「平成享保」の後にくる、約40年間は「令和寛宝」(寛保~延享~寛延~宝暦期:1741~1764年を略す)とよぶべき時代となります。一世一元制が続くとすれば、「令和寛宝」とよぶのがふさわしいのかもしれません。

しかし、江戸時代の寛保~宝暦期は未だ人口減少対応への混乱期であり、新たな社会がめざすべき時代とは思われません。

そこで、その次に来る約40年間、つまり明和~安永~天明期にまで視線を広げてみると、この時代は当ブログでも何度も述べてきたとおり、適切な順応期に当たります。何が適切であったのかは【
人減定着の時代・明和~天明期を振り返る:2018年1月8日】や【田沼政権の10大政策:2018年1月17日】以下で詳しく述べています。

また、長寿化の進む、令和の時代は今後45~46年間続く可能性もあります。

これらの点を考え合わすと、「令和」時代の別称は、さらなる期待を込めて、「令和明天」(明和~安永~天明期:1764-1789年を略す)とよぶべきだ、と思います。

いやいや、今後約70年間の人減定着時代がめざすべき社会は、かつての「明和~天明」期なのです。

これこそ、当ブログが、「平成享保」から「令和明天」へ、と提唱した理由です。

2019年4月2日火曜日

「平成享保」から「令和明天」へ!


新元号が決まりましたので、「人口波動説:10のオリジナリティー」を一休みし、人口波動法を応用して、令和」時代について一言述べておきます。

令和・明天シンボルこの件については、すでに【「平成享保」から「××明天」へ!2018年4月10日】やブログ【平成享保のゆくえ】などで何度も触れてきました。

だが、新元号が未定でしたので、「〇〇明天」「××明天」「新元明天」などと表現してきましたが、これらは今や「令和明天」と明言できるようになりました。

つまり、「昭和元禄」から「平成享保」へと進んできた時代は、新たに「令和明天」という時代を迎える、ということです。


なぜ「令和明天」なのか、その根拠は一体何なのか。これについても、上記の記事やサイトで詳しく触れていますので、ご関心があればご笑覧ください。

また「令和明天」がどのような時代になってゆくのか、とりあえず要点をあげれば、次のとおりです。 


人口減少定着

②脱拡大・入濃密(デンス)

③産業構造のコト主導

税収財源の見直し化

⑤地域構造のリゾーム

これらの詳細については、また改めて論述したいと思っております。

2019年3月24日日曜日

人類は世界をどのように理解してきたのか?

人口波動を構成する、5つの個別波動の、それぞれの時代に生きた人間は、独自の観念で周りの世界を理解してきました。

こうした人間の能力については、古今東西を問わず、宗教や哲学の基本的なテーマでした。例えば古代メソポタミアのギルガメシュ叙事詩、古代インドのヴェーダパーリ仏典などから、現代の現象学深層心理学、さらには構造主義ポスト構造主義などの哲学に至るまで、それぞれがこの課題に取り組んできました。

これらに共通している、最も基本的な視点は「身分け・言分け構造」という考え方です。

どういうものかといえば、私たち人間は周りの環境世界を、「身(み)分け」という網と「言(こと)分け」という網の、2つの網の目を通して見ている、というものです。
(この件については、筆者のもう一つのブログ「生活学マーケティング」で詳しく述べていますので、ご参照ください。・・・【生活構造の縦と横:2015年2月25日】、【身分け・言分けが6つの世界を作る:2015年3月3日】など)

要点を述べれば、以下のとおりです。

身分け」の網というのは、人間が自らの本能という「網」の目によって、周りの外界を理解した世界像、つまりヒトという「種」に特有のゲシュタルト(部分の集まりを越えた、全体的な構造)を意味しています。

周りの物質的世界について、ハエはその感覚器でハエなりに把握して理解し、イヌはその目や鼻でイヌなりにとらえています。ヒトもまた、五感の精度内で人間なりに把握して、ヒトに特有の外界像を描いている、ということです。

このように、あらゆる動物はそれぞれの身に備わった生命の機能(本能)によって、「種」独自の方法で外界を分類し、地(身の外の外界=フィジクス=physics)図(身の内のゲシュタルト=ピュシス=physis)に分けています。

とは生の物質的世界そのものであり、「」とは生物の感覚がとらえ頭脳が理解した限りでの世界です。ヒトはヒト独自の方法によって、を分けています。

人間もまた動物である限り、環境世界の中の一存在として、このような「身分け構造」の中で生きているのです。

次に「言分け」の網というのは、人間が「身分け」の網の上に、もう一つ重ねている、別の網のことです。「言分け構造」とよばれるもので、「シンボル化能力とその活動」、つまり広い意味でのコトバ(言語)を操る能力が生み出す網の目です。

人間は本能でつかんだ対象を、もう一度コトバやシンボル(絵や形)の網によって捉えなおしている、ともいえるでしょう。

この網の目を通すことで、外部世界は本能という図式に加えて、コトバやシンボルによって把握した、もう一つ別の外界像「コスモス:cosmos」を結ぶことになります。

要するに、私たち人間は「身分け」構造という生物次元に加えて、「言分け」構造という人類的な次元の“二重のゲシュタルト”によって、周りの外界を把握しています。

逆にいえば、こうした能力を他の動物より“過剰”に持ってしまったがゆえに、ヒトという動物は「人間」に変わった、ともいえるのです

以上のような視点に立つと、5つの個別波動とは、単なる文明という次元を超え、その深部では以上のような「身分け・言分け」構造の変化によって生み出された、ともいえるでしょう。

2019年3月15日金曜日

人口波動は5重の精神史を示す!

人口波動説のオリジナリティー、第10人類の精神史に潜む、5つの重層的な構造を指摘したことです。

人口波動を構成する、5つの個別波動は[環境×文明]によって作り出されたものですが、それがゆえに、それぞれの時期における人類の自然観や世界観には、独自の特徴が潜んでいます。

例えば世界波動を見ると、過去5万年の間に人類がどのように生存環境を理解し、どのように利用しようとしてきたか、という観念や世界観の推移が推測できます。

詳細な説明は後回しにして、まず大まかな見取り図を描いてみましょう。



 
概略は以下のようなものです。
 
①「石器前波」は「旧石器文明」によってB.C. 4万年ころに始まる約600万人の波ですが、この時代の人類は、さまざまな人物や事物・現象に情意的に反応し、「生きていること」を「力」としてとらえるという「アニマティズム(animatism、プレアニミズム」(R.R.マレットの説)によって、環境世界に対応しています。

②「石器後波」は「新石器文明」によってB.C.9000年ころに始まる約5000万人の波ですが、この時代の人類はあらゆる事物や現象に霊魂の存在を認める「アニミズム(animism)」(E.B.タイラーの説)によって、世界に向き合ってきました。

③「農業前波」は「粗放農業文明」によってB.C.3500年ころに始まる約2億6000万人の波ですが、この時代の人類はシュメール、インダス、ミノア文明などに見られるような、「神話的な世界観(ミソロジー:mythology)によって、人口容量を増やしてきました。


④「農業後波」は「集約農業文明」によってA.D.400年ころに始まる約4億5000万人の波であり、この時代の人類はヒンズー教、仏教、キリスト教、イスラム教など、いわゆる「宗教(リリジョン:religion)によって世界を見つめなおしてきました。


⑤ 「工業現波」は「近代工業文明」によってA.D.1400年ころに始まる約100億人の波ですが、この時代の人類は神話や宗教から科学を切り離すことによって生み出された「機械論的自然観(mechanistic view of nature)によって環境世界と対峙し、人口容量の大幅な拡大を達成させました。
 
以上のように、人口波動が示すものは、人口動向や社会動向はもとより、より高次元の自然観、宇宙観、環境観などにも及んでいます。

これまで20回ほど人口波動説・10のオリジナリティー」について述べてきましたが、10番目の精神史構造については、さらに詳しい論述が必要と思われますので、ここで一区切りし、次回から新たなタイトルのもとに議論を展開していきます。

2019年3月4日月曜日

人口波動法の解説に「日本波動における5つの個別波動」を追加します!

先に【人口波動法という循環法を提唱する!2019年2月15日】で「世界波動における5つの個別波動」を図示しましたところ、フォロアー某氏から「日本波動についても、同じように個別波動を図示したらどうか」とのアドヴァイスをいただきました。

そこで、日本波動の5つの個別波動を、以下のように図化してみました。


5つの個別波動の概要を改めて整理しておきます。






 上表で各個別波動の期間については、2つの時期をあげています。

 ①各波動の開始時期を、波動間の最低値とする。

②各波動の開始時期を、波動の間の中間点にする。

これまで当ブログでは、【
日本波動も文明転換が作った!2018年12月25日】で述べたように、②で説明してきました。

しかし、始動~離陸期の変化を細かくつかむため、今回のグラフでは①によっています。

このような視点で、グラフを一見すると、石器前波から農業後波までは、時代が下がるにつれて、前半(始動期~上昇期)よりも後半(高揚期~下降期)の方が短くなる傾向が見られます。


しかし、工業現波になると一転して、前半と後半の長さがほぼ均等化しています。

このため、今後の社会、つまり工業現波における下降期の社会を予想するには、【
人口波動法による未来の読み方:2019年2月24日】で述べたように、波動全体や時間的長さなどの比較ではなく、時期別の社会的特性が共通する、という視点に基づくことがいっそう必要になってきます。

2019年2月24日日曜日

人口波動法による未来の読み方

人口波動を前提にすると、拙著『人口波動で未來を読む』(日本経済新聞社、1996年)で提唱した通り、波動循環に基づいて未来を予想する、という予測方法論が考えられます。

基本的には、一つの時代が人口波動の6つの時期のどこへ向かいつつあるか、によって、過去の同じような時期と類似した社会的構造が予想できる、というものです。

もう少し詳しい手順を述べてみますと、次のようになります。
 

①予測しようとする時代が、人口波動の6時期のどこに相当しているかを見定める。

②6時期別に現れる、社会の基本的な特性に基づいて、目標とする社会の構造を推測する【
6時期別の社会的特性を読む!:2019年1月15日】。

③それゆえ、個々の波動の全体的な推移を比較するのではなく、各波動における6時期別の対応を参考にする。

④とりわけ、前回の波動における相当時期の社会を参考にしつつ、目標時期の社会を予想する。

⑤かくして、予測される社会は、6時期別の社会的特性を前提としつつ、前波動における相当時期の社会構造から類推されたものとなる。

要するに、この予測法のポイントは、波動全体や時間的長さなどの比較ではなく、時期別の社会的特性が共通する、という視点に基づいていることです(下図)。



こうした方法に基づいて、当ブログではすでに、21世紀後半の世界と日本を予測しています。

◆世界予測については、次の通りです。
人口波動で世界の未来を読む!2018年4月19日】
21世紀の国際情勢は・・・:2018年4月27日】

◆日本予測は次の通りです。
人口減少→人減定着→人口回復:2017年12月10日】
「平成享保」から「××明天」へ:2018年4月10日】

また、世界と日本の予測をさらに詳しく述べたものをKindle版『
平成享保・その先を読む』として上梓しています。

以上が、人口波動説の9番目のオリジナリティーとして、新たに提唱する未来予測手法「人口波動法」の概要です。