2018年8月8日水曜日

「人口波動説」・・・10のオリジナリティー!

22年前、筆者の提唱した「人口波動モデル」は、その後、社会学、未来学、建築学などの関係者から「人口波動説」とよばれるようになり、現在に至っています。

「人口波動説」は、従来の「人口波動理論」や「人口原理」どこが違うのでしょうか。さまざまな面から確かめておきましょう。




①マルサスの2公準を3公準に改訂し、人口の増加・停滞過程を動態仮説として設定した。

②自然環境を利用して、文化や文明で作り出す人口の生存規模を「人口容量」と定義した。

③「人口容量」への負荷強化によって、増加抑制の作動するしくみを「人口抑制装置」と定義し、その中身を「生理的抑制装置」と「文化的抑制装置」の2面から捉えた。

④「文化的抑制装置」のしくみとして、「直接的抑制」「間接的抑制」「政策的抑制」の3面を提唱した。

⑤一定期間の人口推移を描く曲線の名称を「ロジスティック曲線」から「修正ロジスティック曲線」に改訂した。

⑥長期的な人口推移を「修正ロジスティック曲線」の繰り返しとする「多段階人口波動曲線」と定義した。

⑦さまざまな人口推計による人口の推移を、正対数・逆対数のグラフに描いて、5つの波動を抽出し、世界や日本の「多段階人口波動曲線」の実在を確認することで、人口波動」仮説を検証した。

⑧多段階を構成する個々の修正ロジスティック曲線の進行プロセスを、始動―離陸―上昇―高揚期―飽和期―下降の6時期に分け、それぞれの時期別特性を抽出した。

⑨6時期の時期別特性をアナロジーとして応用する、未来予測手法「人口波動法」を提唱した。

人類の精神史には、5つの人口波動が造り出した時代、5つの時代精神の、重層的な構造があることを指摘した。

以上の10項目をとりあえず「人口波動説」のオリジナリティーとして提起したうえで、それぞれの成果と現況を説明していきましょう。

2018年7月29日日曜日

22年前に「人口波動モデル」を提唱しました!

22年前、筆者もまた『人口波動で未来を読む』(日本経済新聞社、1996年)で、新たに「人口波動モデル」を提唱しました。

本書の中で、このモデルは「マクロ人口学のさまざまな成果を継承して、新たに構築した」ものであり、「環境、文化、文明、社会、経済といった諸要素を有機的に関連させた、巨視的な人口理論をめざすもの」と述べています。そのくだりを再掲しておきましょう。
(以下、本書より抜粋)

このモデルでは、最初に人口学の開祖R・マルサスの立てた2つの公準、⒜人間の生存には食料が必要である、⒝人間の情欲は不変である、を継承して、①人口は常に増加圧力を持つ、②人口は人口容量の範囲内で増加する、③人口容量の規模は、文化や文明による自然環境の利用形態によって決定される、というつの公準を改めて定立する。

続いてこれらの公準を前提に、人口の成長・停滞過程を、次のような動態仮説として設定する。
 
 仮説I・・・人口は、人口容量の拡大見通しがついた時、つまり自然環境の好転や、自然環境を利用する、新しい知恵・技術・世界観が生まれた時から、その増加を開始する。
 
 仮説Ⅱ・・・人口は、人口容量が低下した場合、あるいは人口容量の上限に近づいた場合に、さまざまな抑制装置の発動によって、その増加を停止する。この抑制装置は、文化の安定している時には主として「文化的抑制装置」が、また文化の混乱している時には「生理的抑制装置」が、それぞれ発動する。
 
  • 仮説Ⅱ-1・・・文化的抑制装置とは、人口が人口容量の上限へ接近した時、直接的抑制(死亡促進、妊娠抑制、出産抑制、人口分散など)、間接的抑制(生活圧迫、結婚抑制、家族縮小、家族・子どもの価値の低下、都市化・社会的頽廃化など)、政策的抑制(強制的な出産抑制、動乱・戦争、強制移動)といった文化的抑止力が自動的に作動し、単独もしくは複合的に人口増加を抑えるしくみである。
  •  仮説Ⅱ-2・・・生理的抑制装置とは、文化的抑制装置が作動しない時に、体力低下、寿命限界、生殖能力低下、胎児や乳幼児の生存能力低下などが、自動的に作動するしくみである。
 
 仮説Ⅲ・・・人口停滞が続く間に、人口容量を拡大する新しい知恵・技術・世界観が生まれてくると、それまでの「抑制装置」の鍵が外れ、本来の増加圧力によって人口は再び増加を開始する。
 
 仮説Ⅳ・・・人間は自ら自然環境を改善する能力、つまり文化や文明を創造する能力を持っているから、長期的にみれば、人口の推移は一つの人口波動から別の人口波動へ、次々に階を重ねる「多段階人口波動曲線」として描くことができる。

要するに、マルサスの『人口論・第6版』の論点を、現象学、言語学、生態学、社会心理学、文化人類学など、現代思想のパラダイムを応用して再整理したものであり、それ以上でも、それ以下(かもしれませんが)でもありません。

2018年7月19日木曜日

oscillations・・・初めは「人口擺動」と訳されていた!

マルサスの提起した「oscillations」という言葉は、明治~昭和前期には「擺動(はいどう=揺れ動くこと)と訳されていたようです。「人口波動」ではなく「人口擺動」だったのです。

最も初期の翻訳の一つ『人口論』(三上正毅訳、日進堂、1910年=明治43年)では「幸福に関する動と反動は常に反復しつつある」と「反復」と訳されていました。

その後は次第に「擺動」という訳語が定着したようで、戦後間もなく発刊された『各版對照 マルサス人口論』(吉田秀夫訳、春秋社、1948年=昭和23年)においても、「短期間の後に、幸福に関しての同じ後退前進の運動が繰返されるのである。この種の擺動はおそらく普通の人にははっきりと見えないであろう」と訳されています。

このためか、マルサスの「人口波動」理論に、日本で初めて取り組んだ南亮三郎もまた、論文「マルサスの人口理論」(小樽高商『商学討究』第9巻中下合冊、1934年=昭和9年)の中で、「マルサスの人口理論は、發展の理念の上に立てる人口の周期的擺動の理論であつた」と述べています。

この訳語はそのまま継続し、南もまた、昭和10年代に発表した『人口理論と人口問題』(千倉書房、1940年=昭和15年)においても、人口の動きを「進展と逆転との周期的な擺動を反復」するものと述べ、さらに『人口原理の研究・人口学建設への一構想』(千倉書房1943年=昭和18年)でも「人口擺動の理論」とよんで、これこそマルサス人口論の本体であると書いています。

さらに南は『人口原理の確立者一トーマス・ロバート・マルサス』(三省堂、1944年=昭和19年)の中で、「人口の進展及び逆転の不断の反復・・・一言にして人口の周期的な擺動oscillations を科学的な思考形式に表現したものがマルサスの人口理論である」と述べたうえで、「私はこれを『人口擺動の理論』と名付け、マルサスによって発展せしめられた近代的人口理論の頂點を成すものと見るのである」と明確に書いています。

ところが、第2次世界大戦を挟んで、1960年代=昭和30年代後半になると、「人口擺動」は「人口波動」に変えられたようです。

南もまた「人口の波と人口様式の史的発展」(商学討究:小樽商科大学、1962年=昭和37年)の中で、「原始社会のこの人口波動は、生物界に観察されるごく通常の波型の運動に類している」とし、「擺動」から「波動」に変えています。

そして『人口思想史』(千倉書房、1963年=昭和38年)においては、「人口波動の理論」と明確に変更しています。

以上のように見てくると、マルサスのoscillationsという言葉は、1960年を境として「人口擺動」から「人口波動」という訳語に変えられたのです。

2018年7月9日月曜日

「人口波動」説の原点を訪ねて!

このブログでは、これまでに何度も「人口波動」という言葉を使ってきました。

筆者の主張する「人口波動」説とは、近代人口学の開祖、R.マルサスの『人口論』で提起された「オシレーションズ(Oscillations)という発想を基に、20世紀の生物学や生態学の知見を組み入れて再理論化し、世界人口と日本人口に関する、さまざまな推計や統計によって、その実在を検証したものです。

このような用語や検証方法については、22年前に筆者が『人口波動で未来を読む』(日本経済新聞社、1996年)」を上梓した時から、さまざまなご批判やご意見が寄せられておりました。それらはその後も続いており、現在でも時折、ウエブ上や研究会の席上などで、いろいろな形で問題視されております。

そこで、しばらくの間、「人口波動」の発想、定義、実証性などについて、筆者の現在の見解をご披露していきます。


発想の原点はR.マルサスの『人口論』(あるいは『人口の原理』)にあります。

マルサスは1798年に『人口論』(An Essay on The Principle of Population第1版を出版し、「人口は幾何級数的に増加するが、食料は算術級数的にしか増加しないから、その帰結として窮乏と悪徳が訪れる」という有名な理論を発表しました。人口と食料の間には伸び率の差があるから、必ずパニックへ突き進む、というのです。

そのショッキングな内容の故に、この本はたちまちベストセラーになりましたが、同時に厳しい批判にも晒されました。そこで、マルサスは何度も書き直し、1826年にようやく第6版を完成させました。この最終版(吉田秀夫訳=1948年)でマルサスが到達した結論はおよそ次のようなものでした。
 

人口生活資料(人間が生きていくために必要な食糧や衣料などの生活物資)が増加するところでは、常に増加する。逆に生活資料によって必ず制約される。

②人口は幾何級数的(ねずみ算的)に増加し、生活資料は算術級数的(直線的)に増加するから、人口は常に生活資料の水準を越えて増加する。その結果、人口と生活資料の間には、必然的に不均衡が発生する。

③不均衡が発生すると、人口集団には是正しようとする力が働く。人口に対してはその増加を抑えようとする「積極的妨げ(主として窮乏と罪悪)」や「予防的妨げ(主として結婚延期による出生の抑制)」が、また生活資料に対してはその水準を高めようとする「人為的努力(耕地拡大や収穫拡大など)」が、それぞれ発生する。

④人為的努力によって改めてもたらされる、新たな均衡状態は、人口、生活資料とも以前より高い水準で実現される。

これをみると、第1版のパニック論はかなり薄まり、むしろパニックを解消するための、さまざまな行動の解明に力点がおかれています。

つまり、③人口と生活資料の間のバランスが崩れた時、「積極的妨げ」と「予防的妨げ」の2つの抑制現象が始まることと、④生活資料の水準を高めようとする「人為的努力」によって、新たに出現する均衡状態は、以前より高い水準で達成されること、の2つが新たに書き加えられています。

つまり、人口と生活資料の間のバランスが崩れた時、「積極的妨げ」と「予防的妨げ」の2つの抑制現象が始まるが、同時に生活資料の水準を高めようとする「人為的努力」も始まるので、新たに出現する均衡状態は、以前より高い水準で達成される、ということです。

このうち、人為的努力とその結果については、「労働の低廉と労働者の豊富と彼らが勤労を増加しなければならぬ必要とは、耕作者を奨励して、新地を開き既耕地をより完全に施肥し改良するために、より多くの労働をその土地に投ぜしめ、かくて遂に生活資料は人口に対して、出発点の時期と同じ比例となるであろう。労働者の境遇はこの時にはまたもかなりよくなり、人口に対する抑制はある程度緩められる。そして、短期間の後に、幸福に関しての同じ後退前進の運動が繰返される」と述べています。

要約しますと、〔人口増加→不均衡発生→人為的努力→人口抑制緩和→人口増加〕という一連の現象が、循環的に現れるということです

このサイクルを、マルサスは「オシレーションズ(Oscillations)と名づけましたが、これこそ「人口の長期的推移は波をうっている」ということを、初めて理論的に指摘したものでした。吉田秀夫訳では「擺動(はいどう=揺れ動くこと)」と訳されています。

「この種の擺動はおそらく普通の人にははっきりと見えないであろう。そして最も注意深い観察者にとってすら、その時期を計ることは困難であろう。しかし、古国の大部分では、この種のある交替運動が、私がここに述べたよりは遥かに不明瞭かつ不規則ではあるが、存在することは、この問題を深く考察する思慮ある人のよく疑い得るところではないのである。」

「わかりにくい現象であるが、人口問題を真剣に考える、思慮深い人であれば容易に理解できる」とマルサスはいっているのです。

「Oscillations」→「擺動」→「波動」という理論的展開は、日本においてどのように進んできたのでしょうか。

2018年6月29日金曜日

トイレットペーパーはなぜ記号化するのか?

人口減少時代のトイレットペーパーは、なぜ記号化するのでしょうか?

供給側からみれば、人口減少に比例して需要量が減る以上、記号化(マーケティング戦略では
差異化)によって価格上昇や需要拡大を図り、売り上げの減少をカバーしようという、明らかな意図があります。

一方、需要側には人口容量の限界化でモノが伸びなくなったため、コトへの関心が急激に増加しているという背景が考えられます。

このブログで何回も述べてきましたが、人口減少社会とはコト化=情報化が著しく進む時代です。

日本の人口波動で振り返ってみると、過去に4回あった人口減少時代にはいずれもコト化=情報化が進んでいました。



第1波の石器前波では、【用具から情具へ!】(2016年2月9日)で見たように、石器においてもモノ的な用具からコト的な情具への進展が見られました。

第2波の石器後波でも、【
縄文文明も用具から情具へ】(2016年3月8日)で見たように、土器においても用具(実用器)より情具(心理器)の比重が高っています。

第3波の農業前波では、【
第3次情報化の時代】(2016年5月14日)で述べたように、土木・建築などを中心とする生産技術から、製紙技術を基盤とする物語・日記・随筆・説話などの国風文学や絵巻物などの情報文化へと移行しています。

第4波の農業後波でも、【
第4次情報化の時代~③】(2016年7月13日~30日)で見てきたように、農産物増産や築城・土木技術が主導したハード拡大時代から、印刷や出版が中心のソフト深耕時代へと移行しています。

このように見てくると、現代の日本で急速に進みつつある情報化やAI化もまた、第5波の工業現波における人口減少時代、つまり「第5次情報化」を意味しています。

すでに【
5番めの壁:加工貿易文明の限界化】(2016年9月22日)で述べましたが、現代日本の工業現波は、①ハイテク化の限界、②日本型市場主義の限界、③グローバル化の限界などで、人口容量の物理的な拡大が不可能となったため、人口増加から人口減少に移っているのです。

これに伴って、国民の意識もまた、社会的な関心から産業開発の力点まで、全ての方向がモノよりもコトの方へ移行し始めています。

社会的な次元では、人口容量を支える科学技術そのものが、エネルギー拡大、環境維持、食糧増産などの各面で、モノ的対応がほとんど不可能となってきたため、その裏返しとしてAI化やIoTなどコト的充実の方向へ重点を移し変えて、産業の情報化・コト化を急速に進展させいます。

個人的な次元でいえば、私たちの多くがSNS やInstagramに夢中になっているのもまた、電気製品や自動車などモノはもはや伸びなくなってきているため、やむなくコト消費の方へ関心を移している、というのが実情でしょう。

こうした事情を考えると、トイレットペーパーが、単なる機能的商品からコトを楽しむ記号化商品へ次第に移行しているのもまた、人口減少=コト主導社会の進行を示す、ユニークな現象の一といえるでしょう。

2018年6月18日月曜日

トイレットペーパーは、さらに言語記号化!

トイレットペーパーの「差異化」手法として、視覚記号化(カラー化、デザイン化)の事例をあげてきましたが、さらに進化した形として、言語記号化(ネーミング化、ブランド化、ストーリー化)の事例についても、幾つかの商品をあげておきます。


ネーミング化
おしりセレブ」(王子ネピア㈱、1ロール:税込368円)・・・ティッシュペーパー「鼻セレブ」シリーズのトイレットペーパー版

極上のおもてなし」(日本製紙クレシア㈱、同344円)・・・クリネックス・シリーズの上級版

ふくのかみ」(㈲倉敷意匠計画室、同399円)・・・独立系デザイナーのデザインした夜長堂・紅達磨印シリーズの一つ

●ブランド化
羽美翔(はねびしょう)」(望月製紙㈱、同1700円)・・・皇室献上品として5年間の実績を誇る超高級トイレットペーパー

京巻紙 流水」(㈱和紙来歩、同463円)・・・京都発の高級和紙ブランド・トイレットペーパー

黒バラの香り」(四国特紙㈱、同210円)・・・セレブな女性のために作られた高級トイレットペーパー

●ストーリー化
トイレで読む体感ホラードロップ」(林製紙㈱、同145円)・・・ホラー小説「ドロップ」がプリントされたトイレットペーパー

コンビネーションドール・ウェディング」(㈱アルタ、同410円)・・・2ロールを花嫁と花婿のイメージで包んだトイレットペーパー

龍馬からの恋文」(望月製紙㈱、同315円)・・・坂本竜馬からの恋文がプリントされたトイレットペーパー

以上の事例が示すように、差異化手法では言語記号化による需要拡大高額化が懸命に行われています。

これらの商品がユーザーに受け入れられるようになった背景にも、やはり人口減少社会の構造が潜んでいるように思います。

2018年6月10日日曜日

トイレットペーパー、広がる記号化!

選択的願望の代表的な事例が「欲望」願望です。

「欲望」とは何かを考えるためには、私たち生活民の生活構造やその背後にある心理構造を理解しておかなければなりません。

そこで、筆者のもう一つのブログ「
生活学マーケティング」に立ち戻り、生活願望論の要点を整理しておきましょう。

➀私たち
生活民の、さまざまな生活願望が生まれてくる源泉には、筆者が「生活体」と名づけた心理構造があります。

②生活体の基本的な構造は、縦軸(感覚・言語軸)、横軸(個人・社会軸)、前後軸(真摯・虚構軸)
3つの軸です。

③縦軸には、モノ界(感覚界)―モノコト界(認知界)―コト界(言語界)という、3つの世界があります。

④3つの世界から
3つの生活願望が発生します。コト界から生まれる非自然的な願望が「欲望」、モノコト界から浮かびあがる純生物的な願望が「欲求」、モノ界とその外側のカオスの間から噴出する願望が「欲動」です。

⑤「
欲望」とは言語=記号界から生まれる願望であり、言語、記号、意識、理性、観念、物語などを求めるものです。いいかえれば、感覚のとらえた世界を言語化(コトアゲ)によって、観念に変えていこうとするものです。

⑦「欲望」願望を満たそうとする供給対策が「差異化」です。差異化は、商品やサービスのうえに、言語やイメージなど、さまざまな「記号」を載せて、新規性や異質性を訴求する手法であり、具体的にはカラー化、デザイン化、ネーミング化、ブランド化、ストーリー化などが含まれます。

以上の視点からみると、前々回述べた「必需的需要」に対応する「新機能の付加」は、「欲求」に対応する「
差別化」手法ということができます。

これに対し、「選択的需要」に対応する手法の一つとして、まず「差異化」手法をあげることができます。

トイレットペーパー業界ではすでにさまざまな「差異化」製品が供給されていますので、代表的な事例をあげておきましょう。



カラー手法・・・ブラック・トイレットペーパー
●“Renova Black”(世界初の黒いトイレットロール)(Renova社=ポルトガル、1巻価格・税込み324円)
●ブラックロール(大昭和紙工産業㈱、同239円)
●黒紙トイレットペーパー(林製紙㈱、同194円)

デザイン手法・・・花柄トイレットペーパー
●「Hanataba プレミアム」(丸富製紙㈱、同40円)
●花いっぱいトイレットペーパー(コアレックス㈱、同33円)
●エルビラ[バラ](四国製紙㈱、同70円)

デザイン手法・・・ユニーク柄トイレットペーパー
●黒ゼブラ柄トイレットペーパー(イズミコーポレーション㈱、同250円)
●やっぱり猫が好き(猫の足跡)(林製紙㈱、同130円)
●動物柄ラッピングトイレットペーパー・パンダ(服部製紙㈱、同270円)

機能的な革新や改良に加えて、美的趣味や愛玩願望に対応する、以上のようなトイレットペーパーが出現する背景には、やはり人口減少時代の生活民の心理状態が反映しているのではないでしょうか。