2021年1月1日金曜日

ポストコロナは「ル・ルネサンス」へ!

2021年、新春のご挨拶に代えて、ポストコロナ時代の大枠を展望させていただきます。

このブログでは、ラストミドルをモデルにして、コロナ禍によって今や始まろうとしているラストモダン、その約100年間を推定しようとしています。

ラストミドルについては、【ポスト黒死病=ラストミドルは革新準備の時代!2020126日】で述べたように、社会的混乱と社会的革新が並行的に進行していました。

こうした構造をモデルにすると、ポストコロナ=ラストモダンの時代もまた、社会的混乱と社会的革新が並行的に進行し、新たな時代識知を模索する時代になるものと思われます。 

詳細については、これから順番に述べていく予定ですが、まずは全体像を提示しておきましょう。

社会的混乱では、グロ―バル化、民主主義制、市場経済制などで、大きな混乱が予想されます。

グロ―バル化・・・コロナ禍への対応が混乱するにつれて、国際機関の空洞化、国際資本主義の肥大化、資源・食糧・燃料などの枯渇化といった現象が目立ち始め、安易なグローバリズム信仰が大きく動揺することになります。

民主主義制・・・ポピュリズムの拡大や、コニュミズムの倒錯による全体主義の拡大という国際情勢の中で、コロナ禍により、大きく動揺する政治・統治制度においても、その脆弱性が目立つようになります。

市場経済制・・・資本主義を採る諸国家はもとより、国家資本主義を採る国家においても、資本の寡占化や横暴化が進み、所得格差の慢性的拡大、大量生産-大量消費の害毒化、物質的拡大限界化に伴う情報的過剰化といった弊害が拡散することで、市場経済制度そのものの限界が目立つようになります。

こうした混乱が進む一方で、既成の諸概念や諸制度を見直す動きも次第に拡大し、新たな方向を模索する社会的革新の動きも芽生えてきます。

とりわけ有力になると思われるのは、ル・ルネサンス、第5次情報化、統合型エネルギー化の3つでしょう。

ル・ルネサンス・・・Renaissance(再生)はre(再)とnaissance(生きる)の合成語ですが、ラストモダンには、もう一度re(再)が訪れ、Re-Renaissanceが開花していきます。おそらくそれは、現在の科学的理性をベースとする時代識知(分散型無機エネルギー観、要素還元主義、数理思考など)を、大きく修正あるいは見直すものとなるでしょう。

第5次情報化・・・現代の工業現波に先立つ、4つの人口波動では、いずれにおいてもそれぞれの最終段階である下降期になると、主導する文明の物量的拡大が限界に達するとともに、情報的深化へと移行しています。とすれば、今回のラストモダンもまた、AI化やデジタル化が主導する情報深化へと移行するはずです。その意味において、現在進行中の「DXDigital Transformation:情報革新)」もまた、5番目の情報化、あるいは5次の情報化とよぶべきでしょう。

統合型エネルギー化・・・工業現波の世界では石炭、石油、天然ガス、核燃料など、さまざまな無機系エネルギーが利用されてきましたが、化石燃料系は大気汚染を、また核燃料系は高濃度放射能を拡散させるなど、すでに生物的・有機的な障害を引き起こしています。コロナ禍によって、その限界がますます露呈したため、今後は水力、風力、太陽光、地熱、波力、海洋温度差、バイオマス燃料などの自然系エネルギーへの見直しが始まり、宇宙エネルギーをより直接的に活用する統合型エネルギーへの模索が始まるでしょう。

こうした革新がうまく絡み合えば、新たな時代識知が生み出され、おそらく次の世紀には現在の工業現波に続く、次の波動、いうなれば「工業後波」がしなやかに始動し始めるものと予想されます。

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