これまでの「言語起源・進化論」や「言語生成・新仮説」を継承しつつ、今回から「言語➔人波・新仮説」(言語変化➔人口波動・新仮説)へと進んでいきます。
当ブログでは、言語進化と人口波動の関係、つまり【言語➔時代識知(=世界観=共同幻想)➔文明➔人口容量➔人口波動】について、それぞれの因果関係としてさまざまな形で検討してきました。
今回からは、それらを取りまとめ、一連の因果関係として、新たな仮説を提案していきたいと思います。
最初は「石器前波」の成立構造、つまり【深層言語➔マナイズム➔旧石器文明(狩猟・採集)➔生産主体(血縁・地縁集団)➔石器前波】というプロセスの検証です。
人類が深層言語を生み出したことで、その認識構造に「マナイズム」という時代識知が形成されると、「旧石器」という文明が育まれ、約4万年前ころから世界人口の石器前波が徐々に上昇し始めました(深層言語➔マナイズム➔旧石器文明)。
このプロセスを改めて整理しておきましょう。
➀深層言語の発生と浸透
人類が環境世界を理解する手段として、最初に生み出したのは深層言語だった、と思われます。 深層言語とは、「身分け」が把握したものの、「識分け」が掴む前の無意識(深層心理)的な事象を、イメージや偶像などで表す表現装置です(言語6階層説:深層言語とは・・・)。 いいかえれば、無意識から意識への移行を担うプロセスとして、無意識のため息、喘ぎ、息づかいや、意識的な手振り、身振り、しぐさなどという、初期的、胎内的な“言葉”ともいえるでしょう。 人類は周りの環境世界を理解するため、10万年以前からこのような手段を試みてきました。初めのうちは、動作言語(ついつい手を振る、ふらふら身を振る)と音声言語(ため息、喘ぎ、叫び声、わめき声)でまず「言分け」し、続いて形象言語(心像イメージ、動力イメージ)と表号言語(類似形、模様)でイメージやパターンを捉え、それらを統合して文字言語(絵文字、心象文字)を創り出した、と思われます。 これこそ深層言語ですが、このような言語の形成は、おそらく7~5万年前ころから進展し始め、3万年前ころにはホモ・サピエンスの間へ幅広く浸透していった、と推定されます(言語生成・新仮説Ⅴ)。 |
➁深層言語でマナイズムが出現
深層言語の浸透によって、人類の「識分け」構造には「マナイズム」という時代識知(=世界観=共同幻想)が育まれました。 マナイズム(manaism)とは、動植物のみならず無生物や自然現象など、すべてのものに生命があり、生きている、とする考え方です。 イギリスの人類学者、R.R.マレット(Robert Ranulph Marett:1866~1943)が提唱した観念形態で、アニマティズム(animatism)、プレアニミズム(pre-animism)、ディナミズム(dynamism)ともよばれています(アニマティズムという時代識知)。 この視点を取り入れると、3万年前頃の人類は、無意識のため息、喘ぎ、息づかいや、意識的な手振り、身振り、しぐさなどという、まさに深層言語によって、太陽や月、風や波、獣や魚などの動きを、活力や生命力として理解しました。 事物や動物などに非人格的な威力や活力を認めたうえで、それらに情動的に反応し、驚異や恐怖、さらには尊敬や畏敬の念を抱き始めた、とも考えられます。 こうした対応が人類の間で交わされるとともに、環境世界はマナ(mana:超自然力、呪力)で動いているという共通認識が、人類共同体の中に育まれてきました。 とすれば、深層言語という識知装置の進展によって、マナイズム(Manaism)という時代識知が初めて創り出された、ともいえるでしょう(マナイズムは深層言語が創った!)。 |
深層言語の形成と浸透でマナイズムが創造されると、環境世界の動力を人類が自らの手中に引き込むことが促され、旧石器(Paleolith)文明が生み出されました。・・・次回
