2018年12月7日金曜日

5つの波動はなぜ生まれたのか?

世界の人口容量=地球の自然容量×文明】の数式において、人類増加の初期段階では前者の「自然容量」が大きく影響していましたが、その後は次第に後者の「文明」の方が力を増してきた、と述べてきました。

つまり、右辺の「文明」の形がさまざまに変わることで、地球の「人口容量」も急速に増加してきた、ということです。

こうした視点を前提にしつつ、「多段階人口波動曲線」に現れた、5つの波動の成立要因を、先学諸賢の諸理論を継承しつつ、より一貫的に考えてみましょう。

第1波と第2波・・・J-N.ビラバンが指摘しているように、第1波では気候温暖化と旧石器文化、第2波でも同じく気候温暖化と新石器文化の影響が大きい。

第3波と第4波については、E.ディーベイやC.マッケブディらが指摘しているように、基本的には農業文明の影響と思われる。しかし、2つの波の間には西暦紀元前後に大きな谷がありため、前半と後半では農業の形が変わったものと推定される。

第5波は、これまた両者が指摘しているとおり、科学技術の発展やそれが生み出した産業革命によるものと推察される。

そこで、筆者は5つの波の開始時期を、各波動間の最低値から下図のように定めました。


先行研究とはやや異なりますが、それは新たに示した人口波動図(横軸:逆対数、縦軸:正対数)によって、境界を区分し直したからです。












こうして推定された、5つの波動について、それぞれの成立要因を推定し、以下のような名称をつけることにしました。

①B.C. 4万年ころに始まる約600万人の波
             ・・・「旧石器文明」による「石器前波(ぜんぱ)

②B.C.1万年ころに始まる約5000万人の波

             ・・・「新石器文明」による「石器後波(こうは)

③B.C.3500年ころに始まる約2億6000万人の波

             ・・・「粗放農業文明」による「農業前波

④A.D.700年ころに始まる約4億5000万人の波

             ・・・「集約農業文明」による「農業後波

⑤ A.D.1400年ころに始まる約100億人の波

             ・・・「近代工業文明」による「工業現波(げんぱ)

第1波と第2波は旧石器と新石器という石器文明に、第3波と第4波は粗放農業と集約農業という農業文明にそれぞれ基づき、また最後の第5波は工業文明に基づいて成立した、という意味です。

この5つが、筆者が新たに提唱した、世界の人口波動の時期と背景です。