2026年10月1日木曜日

言語➔人波・新仮説Ⅳ:農業後波:思考言語➔リリジョン

新仮説の4番めは、「農業前波」に続いて「農業後波」の検証です。

AD400~1400年代における【➀寒暖寒化➔➁思考言語➔➂リリジョン➔➃集約農業文明(農産・畜産・集中的生産)➔➄生産主体(民族集団、広域集団、宗教国家)➔農業後波】という、ほぼ1000年間のプロセスを検証していきます。


➀地球環境:寒暖寒化の時代

536~540年ごろ、インドネシア付近で大規模な火山噴火が相次いだため、火山灰やエアロゾル(浮遊粒子)が成層圏を覆って日射を遮り、北半球の気温を低下させました。そこで、540年代は「過去2000年で最も寒冷な10年」ともいわれるほど寒冷化し、夏の異常低温、農作物の不作、飢饉などが各地で発生しました。

900~1200年になると、北大西洋周辺などへ比較的暖かい「中世温暖期(Medieval Warm Period)」が訪れ、穀物生産が向上し、森林開墾が進みました。

しかし、1300年代に入ると気温は徐々に低下し始め、1315〜1317年には異常な長雨と冷夏で、北ヨーロッパ全域に凶作が続き、大規模な飢饉で数百万人規模の死者が出たと推定されています。この寒冷化と飢饉による社会的脆弱化が、1347年以降の黒死病(ペスト)大流行の被害拡大にもつながった、とする見方もあります。



➁思考言語:生成と進展

平均気温が上下する環境下で、人類は「自然言語」を多用するうち、表現対象に「網」をかける「思考言語」を発展させました。

思考言語とは、「言分け」による「分節」で生み出された自然言語や自然記号に対し、さらに特定の意図による「網分け」を行い、抽象化した言葉や記号として創り出した言葉です。

背景には、共同体内での交流が拡大するにつれ、個人の中に育まれた「自然言語」を、特定の音声や記号に変え、自らの思考や集団内の合意形成などに使用するようになったからだ、と推定されます。

思考言語によって、人類は「言分け」による「コト界(言知界)」から、「網分け」による「アミ界(理知界)」への移行を促され、集団的な思考を行うようになりました【言語生成・新仮説Ⅷ・・・音声・文字の進展で思考言語が・・・】。


➂リリジョン(宗教)の出現

思考言語の浸透で、共同体の内部での合意形成が進むとともに、世界認識の方法にも「リリジョン(宗教)」という「時代識知」が広がってきました。

思考言語によって、ミソロジー(神話)が捉えていた「神々」、つまり「環境世界で動いている、さまざまなモノには、意志や感情を持つ人格がある」という観念がさらに発展し、「神々の中心には至上神が存在し、あらゆる事象を統御している」という「リリジョン(宗教)」が創造されたのです。

さまざまな神々の連立から神々を纏める統一神へ、ミソロジーからリリジョンへの変化は、食糧生産の形態をも大きく変化させました。狩猟、農耕、牧畜等の分散的生産を終了させ、麦や米、遊牧や家畜など、農産や畜産の中核的生産へ集中していきました(思考言語とリリジョンが農業後波を創った!)。

以上のような気候変動のもと、思考言語とリリジョンの出現で、農産・畜産を民族集団、広域集団、宗教国家などで集中的に行う“集約農業文明”が形成されました。そのプロセスは次回で…。

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