2025年11月9日日曜日

言語生成・新仮説Ⅴ・・・音声・形象・表号の接近で深層言語が・・・

言語階層における「深層言語」は、52万年前に始まったのではないか、と述べてきました。

深層言語とは、【言語6階層説:深層言語とは・・・】で述べたように、「身分け」が把握したものの、「識分け」が掴む前の無意識(深層心理)的な事象を、イメージや偶像などで表す表現装置です。

身分け」では視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚によって「認知」し、次の「識分け」では形、音、臭い、味、物などと「意識」によって「識知」しています。この「識分け」が「識知」するか否かの、初期の段階を「動作」「音声」「形象」「表号」「文字」の5つの言語群によって「言知」した言語装置が「深層言語」です。

この言語階層、つまり深層言語の生成過程を、言語群の進展過程から大胆に推測してみましょう。


「音声言語」の起源については、前回述べたように「連続性理論=初期起源論」と「不連続性理論=後期起源論」があり、前者では200万年かけて徐々に発達したとし、後者では13.5万年以前説や105万年前説が主張されています。

「形象言語」については、洞窟壁画や石器絵画など原始絵画が該当するとすれば、ほぼ7万年前ころに生まれていた可能性があります。感覚の捉えた対象を視覚的なイメージで表現する行動と理解されますが、このような行動を音声に置き換えようとする可能性も推測できます。とすれば、少なくとも10万年以前から発達してきた「音声言語」が、まずは7万年前ころに生まれた「形象言語」と結びつき、「深層言語(深層階層)」を生み出したとも考えられます。

「表号言語」とは、識知の捉えたイメージを、類似パターン、潜在パターン、模様などで表した石像や石具など表す行為ですが、これらはおよそ3.5万年前ころに現れていた、と推定されています。「形象言語」の対象をさらに具体化したイメージとして表現されていますから、これによって言語階層もまた「深層階層」をいっそう深め、ほぼ完成に至ったものと思われます。 

とすれば、深層言語(深層階層)は7~5万年前ころから、ある程度の形態へ進展し、3万年前ころにはホモ・サピエンスの間へ幅広く浸透していった、と推定されます。

この浸透によって、人類の認識構造に「マナイズム」という時代識知が形成されると、【深層言語マナイズム旧石器文明】で述べたように、約4万年前ころから世界人口の石器前波が徐々に上昇し始めたものと思われます。

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