黒死病が壊した農業後波の「生産・社会・識知構造」を先例に、コロナ禍が今や壊そうとしている工業現波の「生産・社会・識知構造」を推測してきました。
【コロナ禍が壊していくのは何か?:2020年7月25日】で予告しましたように、人口波動上の相似点、巨視的変化の相似点、時代識知の相似点を長々と述べてきましたので、3つの次元の比較を改めて確認しておきましょう。
❶人口波動上の相似点
黒死病とコロナ禍という、2つのパンデミックは、飽和期から下降期へと移行する、人類史の大きな転換点を示している点で、共通の構造を孕んでいる。
❷巨視的変化の相似点
2つのパンデミックの共通点として、①気候変動の拡大、②国際紛争の激化、③国際的主導国の消滅、④感染症などの大流行、の4つが指摘できる。
❸時代識知の相似点
黒死病はキリスト教をベースとする時代識知(三位一体エネルギー観、神地二国論、教団組織化など)の破綻を示し、コロナ禍は科学的理性をベースとする時代識知(分散型無機エネルギー観、要素還元主義、数理思考など)の限界化を示している。
要するに、黒死病(Black Death)はキリスト教識知観、三圃制農業、集団生産制、純粋荘園制、封建制、教会・王権並立制などを破壊し、コロナ禍(COVID-19)は科学的識知観、化石・核燃料制、企業・工場制、市場経済制、民主主義、国家連合制などに衝撃を与えたといえるでしょう。
およそ700年離れた、2つの時代に以上のような相似点があるとすれば、これから始まるポストコロナ時代にも、おそらく似たような現象が現れるのではないでしょうか。
そこで、ポスト黒死病の時代をモデルとしつつ、ポストコロナ時代を大胆に予測していきましょう。
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