2020年6月9日火曜日

コロナ禍・・・人口急減の引き金を引いた!

黒死病の影響で人口急減へと向かった14世紀の世界を、農業後波の図黒死病・・・人口急減の引き金を引いたによって、巨視的に眺めてきました。



このような状況を、コロナ禍でパニックに陥っている、21世紀前半の国際情勢に当てはめてみると、下図に示したような展望ができると思います。



この件については、【21世紀の国際情勢は・・・:2018年4月27日】で一通り解説していますが、今回はこれをベースにしつつ、新たな視点を加えて、前図と比較的に展望してみましょう。

図に示した、主な事象を説明すれば、次のようになります。

温暖化の進行

20世紀初頭からの100年間で0.74℃ほど上昇した地球の平均気温は、世紀を超えてからさらに加速し、21世紀後半まで続くと予想されます。

要因の9割は、人間の産業活動等で排出された温室効果ガス(主に二酸化炭素とメタンなど)と推定されています。

これによって海水面の上昇降水・降雪量の変化などが進み、洪水や旱魃酷暑や暴風雨などの異常気象が頻発し、生活・産業環境が危機に瀕する機会が急増します。

もう一方では、真水資源の枯渇生物相の変化なども急進し、農業・漁業等食糧資源への悪影響も懸念されています。

国際紛争は継続から激化


国際連合(UN)安全保障理事会は理事国間の対立で機能不全に陥り、北大西洋条約機構(NATO)もまた加盟国間の不和で混乱状態と囁かれています。

世界保健機関(WHO)世界貿易機関(WTO)でさえも、コロナ禍中で米中対立の狭間に巻き込まれるなど、国際協調をめざしてきた、幾つかの国際機関の弱体化が目立っています。

こうした状況を見越すように、中近東では20世紀半ばからのパレスチナ紛争や、ISLの勃興によるイラク紛争がなお継続し、いっそう拡大する恐れが高まり、中国・インド間では国境問題を巡って軍事衝突も懸念されています。

さらには日増し強まっている米国・中国間では、2030年代に「米中戦争」勃発の可能性もある、との物騒な予想すら5年も前に公表されています(米・ランド研究所・報告書『中国との戦争---考えられないことを考え抜く』2016年7月)。

パックス・アメリカーナから
ポスト・アメリカーナ

20世紀に「パックス・アメリカーナ」として、世界の覇権を確立したアメリカ合衆国が弱体化し、ヨーロッパの統合を果たしたEU(ヨーロッパ共同体)もまた解体の危機に瀕しています。

その一方で、中国の「一帯一路」化戦略をはじめ、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領のフィリピン強権政治、「法と正義」党が主導するポーランド右派ポピュリズム政権など、強引な外交や強硬な内政を行う政権が次々と登場してきます。

スーパー耐性菌の大流行


コロナ禍に続いて、科学文明が創造したがゆえに、自然界の細菌類が耐性を強化し、抗生物質が全く効かないスーパー耐性菌類が、世界中でさらに猛威を振うことが予想されます。

今後、この種の細菌による感染症の拡大で、2050年には世界中で年間およそ1000万人が死亡する、との予測がUKRI(英国研究・イノベーション機構、2014)によって発表されています。

いかがでしょうか。かなり無理な部分もあると思いますが、今後の世界を考えていくうえで、それなりに参考になるのではないでしょうか。

なぜかといえば、何度も繰り返していますが、人口波動の生起する経緯、つまり人口増減人口容量人口抑制装置の3つの関係そのものが、人間社会の最も基本的な成立構造である、といえるからです。

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