2022年3月23日水曜日

リリジョンが集約農耕文明を創った!

5つの人口波動が生まれた背景には、環境世界をいかに理解するかという時代識知の変化があったのでは、という視点から、ディナミズム(dynamism:汎力説)、アニミズム(Animism:汎霊説)、ミソロジー(Mythology:神話)を取り上げてきました。

今回は集約農業文明を創り出したリリジョン(Religion:宗教)です。

宗教とは何でしょうか。さまざまな定義がありますが、当ブログでは【宗教の定義を識知化する!】で述べたように、上記のディナミズム、アニミズム、ミソロジーの要素を差し引いて、より精密な定義を探ってきました。次のようなものです。

①開祖等による記号的観念体系の提唱

独創的な開祖(創始者)等が提起した、超自然的な現象を理解する態度や教義などを、宗教以前の“象徴”言語次元を超えて、より具象的な“記号”言語次元の観念体系として、改めて提唱された識知構造である。

②観念信仰の集団幻想化

教義や儀礼など信仰を共有する集団を、宗教以前の限定的集団(同族集団、地縁集団など)を大きく超えて、より広く、より多様な広義的集団(民族集団、広域集団、国家集団など)にまで拡大した。

③組織・制度の社会的装置化

信仰を共有する共同体を維持・継承するため、組織や制度などを整備して充実させ、治世方式、生産方式、国家体制など、新たな社会制度に拡大していった。

以上のような特性を、仏教、キリスト教、ヒンドゥー教、イスラム教などで確かめてみると、ほぼ共通しているのは、【教団組織化が創り出したのは「万物統合観」だった!】で述べたように、宇宙エネルギーを人間集団で巧みに利用すれば、新たな人口容量を創り出せるという発想だった、と思います。

この発想を動力譜Energy Flow:言語や観念などに潜むエネルギーの動き)の変化として考えてみると、「宗教」には神話の「万物関係観」を継承しつつ、さらにさまざまな事象の間の関係性を改めて「統合(integrate」していくという「インテグレーショニズム(integrationism)=万物統合観」が見えてきます。

これこそ、さまざまな宗教に共通する識知観であり、【宗教が農業後波を創った!】で述べたように、次のように要約できます。

❶宇宙エネルギーを直接的に応用するため、集落や村落などで、太陽神を中心とするツリー状の社会構造を成立させ、

❷個々人の役割、倫理、責任などの関係性を改めて統合し、

それによって

❸農業・牧畜業を担う人間集団を形成させました。















以上のように、宗教という時代識知は、神話で生み出されたエネルギーの循環観をさらに進め、それらを統合する「インテグレーショニズム=万物統合観」によって、集約的な農耕・牧畜文明を形成させた、といえるでしょう。

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