2019年6月3日月曜日

「時代識知」の要件を考える!

このブログで提唱しようとしている「時代識知」とは、人類史上に5つの人口波動を創り出した、5つの時期別の環境観や世界観を一言で表現する言葉です。

あるいは、超長期的な世界観の変化の中で、それぞれの時代別の環境・世界観を端的に表す用語ともいえるでしょう。

このような言葉や概念を、西欧の思想や哲学の中に探してきましたが、ニュアンスや範疇などではかなり近似はしているものの、ぴったり的中する言葉となると、浅学のゆえか見つけることは甚だ困難でした。


①比較的新しい「パラダイム(Paradigm)という言葉は、アリストテレスからアインシュタインまでの観念転換を捉えてはいますが、科学という「機械論的自然観」の中での世界観の変容を示しているにすぎません。

②「エピステーメー(epistēmē) 」という言葉も、主として17~18世紀以降の学問や文化の推移を対象にした考察や分析から生まれた用語や概念であり、また言葉とは別次元に現れる表現行動や精神活動などには及んでいません。

③「ツァイトガイスト(Zeitgeist)という用語も、狭いものは観念的・学問的な次元の言葉として、広いものは「時代の心」を捉える用語として、それぞれ使われるなど、提唱者によって定義が異なっており、その概念が曖昧なままです。

以上のように、西欧の思想・哲学史の中には、「時代識知」にぴったり当てはまる言葉は見当たりませんでした。

とすれば、「時代識知」という言葉を新たに提唱し、その意味するところを明らかにしなければなりません。

それには、この言葉に求められる、幾つかの要件があると思いますので、主なものを列記してみました。










①「認知」次元ではなく「識知」次元を捉える言葉である。

②「言(こと)分け」による言語表現と未言語表現の両面を捉える言葉である。

③網状(networking)の「システム(system)」ではなく、分節的(articulating)な「構造(structure)」を捉える言葉である。

④世界を理解する受動的な次元に加え、世界に働きかける能動的な次元もまた意味する言葉である。

⑤学問、思想、科学などの次元を超えて、より根底的な認識次元を捉える言葉である。

とりあえず、この5つを提起したうえで、順番に考えていきたいと思います。

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