新仮説の5番めは、「農業後波」に続いて「工業現波」の検証です。
AD1400~2100年代における【➀温暖交互から温暖化➔➁理知言語➔➂サイエンス➔➃工業文明(化石燃料・工業生産)➔➄生産主体(経済組織・国家組織)➔工業現波】という、ほぼ700年間のプロセスを検証していきます。
➀地球環境:温暖交互から温暖化の時代
1400年以降の地球の気候は、寒冷期と温暖期を経て、1800年代後半からは急速に温暖化が進んでいます。 1400〜1850年は寒冷化と温暖化を何度も繰り返されましたが、1850〜1900年頃からは産業革命に伴う石炭などの化石燃料の使用などで、急速に温暖化が進みました。 1900〜1970年頃に一時的に温暖化は停滞しましたものの、それ以降は急上昇し、2000年代には過去2000年間で最も高い水準に達しています。 |
➁理知言語(=観念言語):生成と進展
この時代に進展したのは「理知言語(Ideological language)」です。 理知言語とは、人類が思考を行うために創り出した言語で、「身分け」「識分け」「言分け」が捉えた事象を、さらに「網分け」の“理知”によって精細に捉え直し、音声や記号などの創作言語で表現した言葉です【言語6階層説:観念言語とは・・・】。 人類は自然言語の「網」を使って、発声しないまま、さまざまな選択を促す「思考言語」を使っていますが、さらに押し進め、対象に意図的な「網」を張り、発声の有無に関わらず、さまざまな選択を促すようにします。これが「理知言語」です。 いいかえれば、人類はより高度な考察や思索などを行うため、コト界の中に、もう一つ、「網分け」によって新たに仕分けされたアミ界を生み出しました。このアミ界で、人類は人為的にさらに抽象化された思考言語を使うようになったのです。 理知言語は、専門的知識人や特定社会集団などの“理”縁共同体が中心となって、高度な思考するための記号として使われています。 |
➂サイエンス(科学)の出現
理知言語の進展で、「リリジョン(宗教)」が捉えていた「至上神を中心とする神々が、あらゆる事象を統御している」という観念を越え、「さまざまな記号の結びつきによって、あらゆる事象が把握できる」という識知、「サイエンス(科学)」が形成されました。 この識知の基本的な構造は、要素還元主義、数字・記号的思考、科学万能主義など支えられています。 要素還元主義(機械論的自然観)とは「全体は要素の集合から構成されている」という視点で「さまざまな分析を行えば、究極的には全体の理解に及ぶ」という思考方法で、科学と応用技術を多彩な次元で結びつけて、学問や産業の繁栄がもたらしました。 数字・記号的思考とは、「身分け」できる範囲内での自然現象しか分析できないという、人間の思考限界を突破するため、「数字」や「記号」を応用することで数学や物理学・化学などを発展させました。この思考が、自然現象の解明はもとより、経済現象や社会現象一般にまで幅広く応用されようになり、時代識知の中核となりました。 科学万能主義とは、科学は自然の実態を探る、唯一の手法であるという視点を基盤に、さまざまな技術を開発・発展させ、人類の生活力や生産力を大きく向上させました。 このような構造によって、サイエンスは、この世の一切の問題は解決するものだという意識を拡散させ、人類の思考行動の、新たな基盤となりました。 |
以上のような気候変動のもと、理知言語とサイエンスの出現で、工業生産を推進する経済組織(企業、組合など)や近代的な国家組織(国民国家、資本主義国家、社会主義国家など)などが育まれ、生産活動を拡大する“工業文明”が形成されました。そのプロセスは次回で…。



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