2021年4月10日土曜日

ル・ルネサンスの3大要件

・ルネサンスはいかなる時代になるのでしょうか。

それを予測するため、石器・農業・工業波動の成立構造の推移旧石器と新石器、粗放農業と集約農業の発展推移農業後波における下降期の変容推移、の3つの要件を調べてきました。

要約してみますと、

①人口史上の3大波動は、石器波動、農業波動、工業波動であり、それぞれの背景には石器、農業、工業などの生産基盤と、それらを可能にした時代識知の変化が読み取れます。

3大波動のうち、石器波動には石器波と石器波、農業波動には農業波と農業波の、2つの波動が含まれています。

これらの4波動を作り出した基本構造をみると、石器前波では旧石器による狩猟・採集が、石器後波では新石器や土器による狩猟・採集が、農業前波では単純な農具や金属器による耕作が、農業後波では灌漑や輪作などによる集約農業技術が、それぞれ主導しています。

さらに基本構造を支える時代識知として、石器前波では「Dynamism:生命力」が、石器後波では「Animism:霊魂力」が、農業前波では「Mythology:神話」が、農業後波では「Religion:宗教」が、各々浮かんできます。

③農業後波における下降期の変容推移を振り返ると、ルネサンスが再興したのは農業前波の時代識知、つまりミソロジー的精神だったと推定されます。

ここでいうミソロジーとは、「統一的・集団的拘束的」な観念体系を一旦脱し、「分散的・個別的拡散性」を認めようとする精神だった、と思われます。 


以上のような要件を前提に、工業現波の下降期(ラストモダン)に起こる社会改革の動き、つまり・ルネサンスの進むべき要件を考えてみましょう。 

工業波動は変わらない。

前回のルネサンスでは農業波動から工業波動への根本的な転換を模索しましたが、今回のル・ルネサンスにそこまでの展望は難しく、あくまでも工業波動の延長線上での変化を模索することになるでしょう。

工業前波から工業後波へ。

石器波動が石器前波と石器後波に、農業波動が農業前波と農業後波に分かれている以上、現在の工業波動もまた前波と後波に分かれると思われます。

とすれば、ル・ルネサンスが模索する波動は、現在の工業現波(工業前波)に続く工業後波ということになるでしょう。

工業後波は新たなリリジョンをめざす。

前回のルネサンスが再興したのが、一つ前の農業波の時代識知であったとすれば、今回の・ルネサンスの再興目標もまた、一つ前の農業波の時代識知ということになるでしょう。

つまり、前回はミソロジー、今回はリリジョンということですが、過去の4波動においては、前波と後波の間に「分散から統合へ」という流れがありますから、ここでいうリリジョンとは、工業前波の「分散」から工業後波の「統合」へ、ということかもしれません(のちほど詳述します) 

以上のような要件を前提にして、・ルネサンスが取り組むべき工業後波の可能性を改めて考えていきましょう。

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