2024年2月26日月曜日

グローバル・レシプロシティー・・・構築プロセスを考える!

効果的利他主義の実践に向けて、先行的な事例を幾つか挙げてきました。

しかし、GR(グローバル・レシプロシティー:Global Reciprocityを実現していくには、これらの先例事象を参考にしつつ、さらに全体的、あるいは統合的な形成プロセスの構築が強く望まれます。どうすればいいのでしょうか。

基本的には急進するAI(人工知能)の応用を前提として、【グローバル・レシプロシティーを構想する!】において述べたような手順、つまり①機構の構築と自動運営、②分配記号の設定、③システム企画・開発、④運営方針、⑤運営管理者などの構築が求められます。

そこで、これらの項目を前提に、さらに具現化していくプロセスを考えてみると、図のような手順が考えられます。

全体の構成としては、新たな互酬団体の構築をめざして、AI活用による実践方式の開発を推し進め、価値=財源の収集と分配方法の詳細を構築して、全地球的な展開へと進展させる、というものです。

おおまかな検討内容を列記してみましょう。

❶AI技術を活用したGR実践方式の構築

最初に求められるのは、地球民一人一人が自主的に参加できる、国境を越えた互助組織の構築です。効果的利他主義者などの協調により、実践的な構成を進めるとともに、加速する生成AIを活用して、財源取集や適正分配などの実践と拡大に伴う、さまざまな運用実務を運営していきます。

❷互酬団体などの構築

◆互酬団体の基準設定と構築・・・全地球単位のGRを一挙に構築していくのはかなり困難ですから、まずは国境を越えた、さまざまな互酬団体の設立が必要です。

先行するGiveWellGiving What We CanGiving Pledgeなどの協力を得るとともに、新たな実践機構をグローバルレベルで構築していかなければなりません。

◆互酬団体の連結・統合化・・・幾つかの互酬団体が構築され、それぞれに加入した世界民に一定額のベーシックインカムが配布されるようになれば、個々の団体の行動を連携し、さらには団体そのものの統合が求められます。

❸価値・財源などの確保

◆価値・財源の収集制度の確立と共通化・・・ベーシックインカムとして配布する価値資源を蓄積していくには、個人レベルの互酬(寄贈や遺贈)、企業や団体レベルの寄贈、国家レベルの参加などが求められます。これには、先行する主体で実施されている、GiveWellの個人寄付、Giving What We Canの会員寄付、Giving Pledgeの資産家による寄贈と遺贈など、さまざまな手法を参考にしつつ、財源の確保をめざすことが求められます。

◆価値・財源の維持・増加体制の確立・・・地球民全体に対しベーシックインカムを永続的に供与していくには、個人や法人からの遺贈などに加えて、国家からも一定額の提供を求めることが必要です。

例えばWorldcoin構想では、高度な技術革新による、企業の収益増加に対する課税を強化し、その一定額をDRの財源にするという案も企画されており、その普遍化も検討すべきでしょう。

❹分配方式の整備

◆分配対象の基準設定・・・集められた価値・財源を、どのような世界民に対し、どのようなレベルと形式で給付していくか、とりあえずは幾つかの互酬団体別にそれぞれの給付・分配制度が実施されます。しかし、地球民全体に公平な給付を行うためには、標準的な給付制度の構築が必要になります。

先行する機構(GiveWellGiving What We CanGiving Pledgeなど)では、給付の対象を慈善団体などに設定していますが、GR機構では団体よりも個人への給付が基本方向となります。

◆分配方法の確立と共通化・・・給付制度の標準的モデルが形成されるとともに、さまざまな互酬団体への普及を広げ、給付方法の共通化を図ります。

ワールドコイン・プロジェクトが採用している、網膜スキャンによる配布システムなども参考になるでしょう。

❺GRの地球的展開

以上のような手順で、幾つかの互酬団体が価値・財源の確保を押し広げ、それぞれに参加する地球民への給付・分配を実施するようになると、次第に団体間のグループ化が進み始め、やがては地球民全体を少数の互酬団体がフォローするようになります。

現時点ではまったく予想もつかないGRの形成手順を、ひとまず大まかに展望してみました。

空想的な展望と見なされるかもしれませんが、人類が現在の工業前波を乗り越え、次の工業後波へ進むには、これこそが必須のプログラムなのです。

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