2020年4月10日金曜日

曼荼羅エネルギーが人間社会を動かす!

前回述べたように、胎蔵界曼荼羅には大日如来や阿弥陀如来のエネルギーを原点とする、諸仏諸尊の“動き”が表示されています。

この構造は、人間集団を動かす、さまざまな動力の流をきめ細かく暗示しているように思えます。

そこで、前回の「動力曼荼羅」に配置された諸仏諸尊の“動き”を“動線”に置き換えてみると、下図のような「エネルギー曼荼羅」になります。




この図から読み取れることを列記してみましょう。


●人間集団=社会を構成する諸要素は、宇宙・太陽の発する、強力なエネルギーを受け入れて、それぞれが独自の“動き”を展開している。

●諸要素は近隣の要素からエネルギーを受け入るとともに、それらの要素にもエネルギーを提供している

●最外部では、内部からのエネルギーを補給されつつ、社会集団の外側に対して防御態勢を担っている。

以上の動力傾向は、人間の社会構造から見ると、次のように置き換えられます。
 
分担関係・・・社会を担う、さまざまな要素は、宇宙エネルギーの供給を受けつつ、それぞれの担う役割を遂行している。

相互関係・・・社会を担う、さまざまな要素は、自らの役割を果たすともに、関連する諸要素と連携を図っている

防御態勢・・・人間集団全体として、天災や地変などの自然災害はもとより、病気や煩悩などの個人的障害まで、マイナス要素に対抗する防御機能を持っている。

こうした社会構造によって、仏教:密教という時代識知は、集約農業社会を生成させ、さらに維持・発展させていくことに貢献しました。


太陽エネルギーを直接的に応用して、農業・牧畜業を成立させた。
 
②農業・牧畜業を担う人間集団(集落や村落など)を成立させた。

③太陽神を中心とするツリー状の社会構造を成立させた。

④人間集団の内部における、個々人の役割、倫理、責任などを確定させた。

⑤人間社会が遭遇する危機に対する、個人的、集団的な対応策を用意した。

仏教という宗教を、時代識知という視点から眺めると、以上のような特性を読み解くことができそうです。

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