2020年4月2日木曜日

胎蔵界曼荼羅の動力構造

胎蔵界曼荼羅の中に配置された、主な諸尊の、それぞれの役割を簡単に確認しておきましょう。

お役目のうち“動詞”部分を強調するため_で表示してみました。


大日如来:太陽(太陽力を司る毘盧舎那如来が進化された仏。

宝幢(ほうどう)=宝生如来:心を鏡にして全てのものを写しとる智恵。

開敷華王(かいふけおう):自他共に全てを平等にする智恵。

阿弥陀如来=無量寿:無量の光(宇宙力)で全てを正確に見極める智恵。

天鼓雷音(てんくらいおん):雷鳴のように法音(説法や読経)を轟かせて人々を教化。

普賢菩薩:あらゆるところに現れ命ある者を救う菩薩。

文殊菩薩:空の智恵で菩提心を清めて煩悩を断ずる菩薩。

観自在菩薩:人々の苦しみを見抜いて救う菩薩。

弥勒菩薩:あらゆる人々を慈悲によって救済する菩薩。

遍知印:大日如来の燃え上がる大悲。

般若菩薩:すべてに通じた仏の智慧(般若)を与える菩薩。

観音菩薩:衆生を智慧で見守り救う菩薩。

不空羂索観音:網で捕らえ衆生を救済する観音。

金剛薩埵菩薩:大日如来の教えを人々に伝授する仲介者。

金剛牙菩薩:牙で一切の魔を降伏させる菩薩。

釈迦牟尼:三宝(仏・法・僧)のうち仏宝を示す尊。

虚空蔵菩薩:智恵を授ける菩薩。

地蔵菩薩:弥勒菩薩が出現するまでに、命あるもの全てを救う菩薩。

除蓋障菩薩:煩悩や執見といった蓋障を取り除く菩薩。

賢護菩薩:無量の寿命を与える菩薩。

日光菩薩:一千の光明で広く天下を照らし、無明の闇を滅尽する菩薩。

毘沙門天:北方を守護する神。

増長天:南方世界を守護する神。

伊舎那天:北東方を守護する神。

風天:西北方を守護する神。

火天:東南方を守護する神。

涅哩帝王:南西方を守護する神。

  
上記の“動詞”部分を参考にしつつ、「諸尊曼荼羅」を“動き”のある「動力曼荼羅」に置き換えてみると、下図のようになります。


これをみると、次のようなエネルギーの動き読み取れるでしょう。

①中央の大日如来=太陽力発する、強大な力を、数多くの諸尊がそれぞれ分担して、さまざまな意図を持った力に変換しています。

②大日如来の太陽力は、阿弥陀如来の宇宙力でバックアップされつつ、燃え上がる遍知印を通じて、釈迦牟尼へもたらされています。

③大日如来を囲む中台八葉院の8つの諸尊は、さまざまな力によって、人々を教化救済する役割を分担しています。

蓮華部院金剛手院諸尊は、大日如来のエネルギーを人々に伝えつつ、邪魔する力を排除していきます。

地蔵院除蓋障院諸尊は、過去から未来に至る、時間を超えた救済力や防御力を示しています。

⑥外縁部の最外院では、諸尊のエネルギーが四方八方からの障害から人々を護っています

⑦多数の諸尊の間には、文殊菩薩は開敷華王如来から、普賢菩薩は宝幢如来から、観自在菩薩は阿弥陀如来から、それぞれが生まれた菩薩であるといわれるように、出自関係や由来関係が潜んでおり、エネルギーの方向性が暗示されています。

以上のような諸尊間の関係性から推測すると、胎蔵界曼荼羅には大日如来の太陽力や阿弥陀如来の宇宙力を原点に、人間社会を動かすエネルギーの流れがきめ細かく暗示されているように思えます。

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