2023年10月7日土曜日

ル・ルネサンスが始まる!

世界人口は今後30年ほどで減少していきます。

前回の「人口減少ショックの開始」に続いて、今回は「新たな人口波動の準備」を考えます。



世界人口がピークを過ぎて減り始めると、人口増加を前提に創られてきた、さまざまな社会装置が大きく揺らぎ始めます。

それと並行して、従来の社会装置を超える、新たな社会構造への模索が始まります。

かつて黒死病(ペスト)大流行の後、ルネサンスが開花したように、今回もパンデミックの後、「ル・ルネサンス」が開花するのです。

ル・ルネサンス」という言葉は、当ブログの造語です。元々のRenaissance(再生)がre(再)とnaissance(生きる)の合成語であるのを継承して、もう一度re(再)が訪れてRe-Renaissanceが開花する、という意味です。

今回のル・ルネサンスでは、現在の世界人口容量を超えて、新たな人口容量を創り出すための仕組み、社会的な知恵が模索されます。

それゆえ、最初の課題として、現代文明の基本構造である「科学」という社会知をどのように変えてゆくかという視点から、次の3つが浮上してきます。

1つは、工業前波の分散的な科学(Science)の後に、統合的な新科学(Omniscience)の到来を準備すること。

2つめは、倫理・使命感を持った新世界観(New Cosmologyを創造・並立し、分散型社会の暴走や弊害を抑えること。

3つめは、工業前波を主導してきた「分散的・個別的充足性」という理性を細かく反省し、もう一度「集約的・統合的構造性」という知性を回復させること。 

このような課題が達成されれば、次代の人口波動、工業後波を引き起こす、新たな社会知として「オムニシャンスOmniscience」が生まれるとともに、倫理・使命感を持った新世界観が誕生し、それに伴って「集約的・統合的集中性」という社会知が形成されます。

社会知の転換によって、社会構造を見直す傾向が強まり、グローバル化では、国家を超えた共同体の拡大が、国家観では、間接民主制の修正や超越的な行政運営などが、生産・分配制度では、国際分業や市場経済の見直し、資本集中や所得不均衡の是正などが、それぞれ準備されることになるでしょう。

各分野の方向や目標については、次回から考えていきます。 

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