2021年8月17日火曜日

政治体制を集約・統合的識知から見直す!

工業後波生産・分配制度を集約・統合的識知から見直してきましたので、続いて政治・統治制度を考えてみましょう。

このブログでは【ポストコロナは「ル・ルネサンス」へ!】以降、度々指摘してきましたが、現代社会の政治・統治制度でも、その限界が目立ち始めています。

とりわけ、多くの国家が採用している間接民主制については、❶制度固定化による無力感や不信感の増加、❷政党選挙制による個別意見の排除、❸代議制による政治的無関心の拡大、❹投票者は政策内容・実施状況の検証・理解が困難、❺選挙活動における利益誘導や投票誘導などの不正など、さまざまな欠陥が露呈しています。

これらを修正し、工業後波にふさわしい政治・統治制度へ進んでいくには、どうしたらよいのでしょうか。

この課題についても、【ル・ルネサンスは集約・統合的な社会知をめざす!】で述べた、工業後波の社会知、つまり①分節化から合節化へ、②数値絶対化から数値相対化へ、③システム化からストラクチャー化へ、という視点に立って、幾つかのアイデアを検討してみましょう。

政治・統治制度のうち、まずは政治制度について、次のような方向が考えられます。


①言語機能・・・【分節化
合節化】を実現するため、【間接制度中心直接・間接整合化】が求められる。

IT化による選挙方式の導入・・・現在の直接投票唯一制に、パソコンやスマホなどで個人認証を徹底化したIT投票制を加え、投票率の拡大を図る。

個別政策別意思表示法の導入・・・政党主導型政策選定に加え、重要な個別政策については、国民自身がその是非を選べる投票制度を導入する。

議員任期・回数限定制の導入・・・議員の固定化・職業化を脱するため、任期や回数などの制限を導入し、議員の流動化・多角化を図る。

②数値機能・・・【数値絶対化数値相対化】へ向かうため、【多数決絶対化多様意見整合化】を検討する。

多数決+異見調整方式の導入・・・多数決を前提にしつつも、投票の事前事後に反対意見との調整を図る機会を拡大し、合意形成の上昇を図る。

少数意見探索・組み込み方式の導入・・・政策案の立案に際しては、主導意見だけでなく、少数意見や反対意見なども広く収集し、効果・逆効果利益層・不利益層などを明示したうえで、議会への提案を図る。

③把握機能・・・【システム化ストラクチャー化】へ転換するため、【網の目的政治風呂敷的政治】を目指す。

代議制+直接投票制による関心拡大・・・重要な個別政策については、国民の直接投票制をいっそう拡大し、政治課題への参加拡大を促す。

社会的課題の網羅的抽出・・・国家の取り組むべき社会的課題については、利害関係者や主要関心者の意向だけをくみ取るだけでなく、その背後や影響にまで広く目を配った、統合的な政策提案をめざす。

課題解決策の多様な提案・・・新たな社会的課題に取り組むには、合理的な解決策に加えて、非合理的にもかかわらず合意形成が可能な方策なども提示し、一面的な提案から多面的な提案への転換を図る。

以上のように、工業後波の政治制度では、工業前波の間接民主制を継承しながらも、国民の参加をいっそう可能にするような、幾つかの修正を加えていくことが必要になるでしょう。 

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