工業後波の政治・統治制度を検討していますが、某新聞のトップに当ブログの言説とはまったく異なる見出しが表示されましたので、今回は反論を掲げておきます。
日本経済新聞は、2021年8月23日朝刊の、トップ記事の見出しに「人類史、迫る初の減少」という見出しを掲げています。
どこかの本屋が出した『2050年 世界人口大減少』でも、人類初の人口減少などという虚言をまことしやかにPRしていました。
この表現は正しいのでしょうか?
「初の」というのはまったく事実でありません。
人類の人口史を研究してきた、世界中の著名な人口学者の推計によれば、人類は少なくとも4回の人口減少を経験してきています。
詳しくは、このブログ【JINGEN〈人減〉ブログ】の下記の事項で詳しく紹介しています。
逆対数グラフで人口波動が浮上する!(2018年10月24日)
人口波動で読むコロナ禍!(2020年5月1日)
「初の」というのは、数十億人に達した現代の人口を前提にした表現だと思いますが、その発想自体が現状肯定を前提にしているのだ、と思います。
石器前波では0.06億人 石器後波で0.5億人、農業前波では2.6億人、農業後波では4.5億人をピークに、その後の人口はそれぞれ減少に向かっています。
人類は4度も人口減少を経験しているのです。
これらの背景をマクロに見れば、工業現波(現在)の90~100億人をピークに減少へ向かう要因と共通しています。
にもかかわらず、過去の時代の人口規模や主導文明の差異によって、今回の人口減少の背景を考えるのは、現代人の驕りともいえるでしょう。
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