2021年8月8日日曜日

「複合社会」論を集約・統合的識知から見直す!

工業後波の社会構造を展望するため、ポランニーの「複合社会」論を検討してきました。

しかし、ポランニーの著作では、膨大な論述にもかかわらず、複合社会とはいかなるものなのか、具体的なイメージはほとんど示されていません。

そこで、複合社会のめざすべき、基本的な方向を、当ブログの視点から改めて考えてみました。

さきに【ル・ルネサンスは集約・統合的な社会知をめざす!】で述べたように、工業後波の社会知もまた、①分節化から合節化へ、②数値絶対化から数値相対化へ、③システム化からストラクチャー化へ、という大転換を求められます。

とすれば、生産・分配制度についても、次のような転換が急務となるでしょう。 

分節化から合節化へ・・・前回述べたように、次のような対応が求められます。

❶肥大化した市場交換を、租税バランスの変更共同体的統制の強化などで、極力抑制していくとともに、再配分、互酬、家政の3領域をできるだけ強化していく。

❷負荷の増加する再配分制度を見直し、税収規模や社会保障構造などの、適正な規模を作り出していく。

❸互酬制を拡大させるため、地域社会や地縁共同体など伝統的共同体の再建や、シェアリング家族やコレクティブ家族など新型共同体の構築を、多面的に支援していく(詳細は【互酬性を再建する!】参照)

家政の自給自足力を高めるため、農・漁業自営者、独立系生活者など、自立的生活民に向けて育成や支援を行う。

❺市場、再配分、互酬、家政の4領域をそれぞれ深化させるとともに、4つを連携・協調させるような、統合的な仕組みを構築していく。

数値絶対化から数値相対化へ・・・数量的な指標を優先する行動視点から、量と質の調和をめざす行動視点への転換を図ります。

❶経済統計や株価指標などに拘泥する社会・経済運営から脱却し、さまざまな現象の示す数値以外の情報や動静を、より全体的に把握できるような観察・運営行動を拡大していく。

❷経済実態とかなり乖離しつつある貨幣指標や株価指標を修正するため、経済事象をより多角的に把握できる、新たなシンタックス(統辞法)とそれに基づく指標を作り出していく。

システム化からストラクチャー化へ・・・点と線による効率優先の生産・分配方式から、面と面を重ねて中身を濃くする生産・分配方式への転換をめざします。

❶システム化の主導する市場交換、システム化とストラクチャー化の混在する再配分には、ストラクチャー化の強化を計るとともに、非システム的な互酬と家政には、新たなストラクチャーの構築や強化を進めていく。

❷市場交換のシステム化を他の領域に強引に押し広げるのではなく、4つの領域を構造的に連携させるような、包括的な運営方式を創り出していく。 

かなり抽象的な行動目標となりましたが、要約すれば、先に述べたように、圧倒的な市場交換中心経済から、生活民一人一人が自立性を再構築できる生産・分配制度へ向かって、数量的な指標を優先する行動視点から、量と質の調和をめざす行動視点への転換を図りつつ、点と線による効率優先の生産・分配方式を、面と面を重ねて中身を濃くする生産・分配方式へと移行させるなど、幾つかの転換を推進していく、ということです。

0 件のコメント:

コメントを投稿