人口減少対策は、現代日本にとって喫緊の課題だと言われていますが、日本だけの問題ではありません。
主な先進国では間もなく人口減少が始まると予測されており、今回のコロナ禍でその傾向に拍車がかかってきました。
マクロな傾向がどうなるのか、世界人口の予測については、国際連合・社会経済局の人口推計(2019年版)やワシントン大学IHMEの推計(2021年版)が、さまざまな展望をしています。
コロナ禍の影響を織り込んだ、正確な予測はまだ出されていませんが、これらの推計値の中の最低傾向を辿る可能性が高まってきた、と思われます。
①国連予測の最低値・・・2054年に89億人でピークに達し、2100年には73億人まで減少。 ②ワシントン大予測の最低値・・・2040年に87億人でピークに達し、2100年には63億人まで減少。 |
要するに現在79億人に達した世界人口は、2040~50年代までは増加しますが、その後は減少過程に入り、2100年には60~70億人台になるということです。現在より10~20億人ほど減るわけです。
こうした展望に対し、某新聞がトップで「人類史、迫る初の減少」という、誤った見出しを掲げたり、某有名出版社の翻訳本が「いったん減少に転じると、二度と増えることはない」など、いささか暴論を述べています。
いずれも現状膠着的、あるいは近視眼的な見方ではないでしょうか。
もっと視野を広げ、より長期的な見方をすると、世界人口は何度も増加・減少を経験してきており、今回もまたその一環にすぎません。
当ブログで展開する「人口波動説」からいえば、一つの文明が作り出した「人口容量」が限界に達したからだ、ということです。
科学技術文明という近代社会を支えてきた容量が、すでに満杯に近づいてきたため、容量の小さな国から順番に減り始めているのです。
そう考えると、人口減少を恐れるのではなく、容量に適応した方向へ社会のあり方を変えていくことが求められます。
さらには次の容量革新へと向かって、新たな挑戦、「ル・ルネサンス」が求められる時代が来るのだ、ともいえるでしょう。
こうした視点から、このブログではさまざまな議論を展開していきます。
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