2015年11月30日月曜日

成熟から革新へ

ヨーロッパの農業後波の下降期には、これまで述べてきたような社会が展開されました。

その特徴をまとめてみると、次のように整理できます。

①下降の初期には、社会的な混乱の拡大によって、経済的には封建領主による荘園経営が解体され、社会的には従来の宗教や学問の権威が失墜して、中世的な世界観や社会秩序が崩壊しました。その結果、当時の世相には「鞭打ち苦行者」や「死の舞踏」といった集団的な“狂信”現象が発生しています。

②しかし、下降期が進んで、世の中が落ち着き取り戻してくると、それまでの混乱を逆手にとって、ルネサンスという、新たな精神運動が生まれてきます。ルネサンスは文学、美術、建築などではじまりましたが、やがて近代的な合理的精神を生み出し、社会や経済へも広がり、次の波動を生み出す世界観へと発展していきます。

③下降期の停滞した社会の中で、活版印刷術、火薬、羅針盤などさまざまな新技術が育まれ、次の波動を担う、最も基礎的な条件を蓄積させています。

こうしてみると、人口波動の下降期とは、混乱から成熟へ、成熟から革新へ、波動の終焉から波動の萌芽へ、と社会や文化が動いていく時代ということができます。

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