人減先進国の向かうべき産業分野として、①人口容量維持産業、②情報深化推進産業、③濃密生活対応産業の3つを提案してきました。
さまざまな産業に共通する要素として、某経済新聞の編集委員が提案した「レコノミー時代」の「レ(RE)」の視点から改めて整理してみます。
レコノミーとは「RE型経済:re-economy」を略したもので、古着、中古品、再生品など再生型経済への移行が加速する昨今の経済動向を、集約的に表現した新語です。
この視点を応用すると、人減時代の中核産業では、さらに「RE」を重ねていくことになると思います。
●人口容量維持産業で述べた扶養量対応産業では、食糧、衣料素材、建築材料などについても、国内で可能な限り自給していく産業への転換、つまり「再供給:recharge」が求められます。 もう一つの許容量対応産業でも、成長・拡大型の新規事業を抑えて、既存の国土・都市環境をいかにして「保存:reserve・改善:reform」していくか、という飽和・濃密型需要への対応が、新たな産業目標となってきます。 ●情報深化推進産業のうち、電子情報の活用が進んだ認識転換推進産業では、視覚・聴覚・触覚・空間知覚など、感覚的な認知行動に大きな変化が進むにつれて、理知的な識知行動にも「再生:renovate、refresh」ともよぶべき変化が生まれてきますから、これに対応する、新たな産業の創造が期待されます。 さらにル・ルネサンス推進産業では、環境世界の捉え方が変革され、現代社会の次に来るべき、新たな社会を生み出す時代識知へも転換、つまりルネサンスの再来ともよぶべき「ル・ルネサンス:Re-Renaissance」が進展し、それに伴って、「新科学:Re-Science」ともよぶべき、新たな時代識知からさまざまな新産業が生み出していきます。 ●濃密生活対応産業においても、従来の膨張型生活(Expanding Life)から、新たに濃密型生活(Condensing Life)へ移行していくにつれて、社会(交換・同調・価値)よりも個人(自給・愛着・効用)を、言語(理性・観念・記号)よりも感覚(体感・無意識・象徴)を、生活構造の肥大化よりも濃縮化を、それぞれ「再評価:reassess」する傾向が強まってきますから、それぞれに対応する産業が伸びていきます。 |
以上のように、人減先進国では、経済の「レコノミー」化という次元を大きく超えて、社会構造の変革をめざす「ル・ルネサンス」化が新たな目標となるでしょう。
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