キリスト教の識知構造を考えてみると、①三位一体説、②神地二国論、③十二使徒制の、3つの構造が浮上してきます。これらはどのような形で、人口波動の農業後波を創り上げていったのでしょうか。
1.三位一体説
この識知を、力の動き、動力譜(energy flow)として考えてみると、神として存在する宇宙エネルギー(父)を明確に捉えたイエス(子)は、さまざまな分野に応用しようとする主体(精霊)である、という構造が浮かんできます。 三位一体論に潜む、このようなエネルギー観によって、農業後波の生産構造が作り上げられ、さらには社会構造が形成されていったと思われます。 |
2.神地二国論
この識知は、私たちの生きている世界には、理想としての神聖な世界と、現実としての世俗的な世界が並立しており、後者はできるだけ前者をめざすべきだ、という世界観でした。 エネルギー観でいえば、神の国という宇宙エネルギーを、地の国という受容体がどのように受け入れていくべきか、という発想です。 この発想こそ、中世ヨーロッパの社会構造の基本である「教会・王権並立制」を成立させた要因だったともいえるでしょう。 |
3.十二使徒制
この制度は、人類の集団的行動を、それ以前の自然発生的な地域集団から、目標的、組織的、広域的な集団へと変え行く契機を作りました。 この新たな集団形成によって、生産構造の集団生産制や社会構造の純粋荘園制などを形成する基盤が、速やかに醸成されていきました。 さらに十二使徒体制は、三位一体説で述べた動力譜(energy flow)をいっそう補強することにもなりました。宇宙を支配する唯一神「ヤハウェ(Jehovah)」のエネルギーを、救世主イエスが引き継ぎ、十二使徒へと伝達することで、社会全体へより広く伝えていったからです。 |
以上のような3つの識知観によって、キリスト教という宗教は、集約農業による人口容量の成立に大きな役割を果たした、といえるでしょう。
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