2021年3月10日水曜日

ル・ルネサンスの進行条件を考える!

ポストコロナの時代を、新たな予測手法である人口波動法によって推測し、次の文明革新を引き起こす「・ルネサンス」になる、と展望しています。

14世紀のルネサンスのモデルは「石器文明=石器後波から農耕文明=農業前波への橋渡し」をしたLast stone ageでしたが、ル・ルネサンスのモデルは「粗放農耕文明=農業前波から集約農耕文明=農業後波への橋渡し」をしたLast ancient ageであったのだろう、と前回では述べてきました。

前者が石器文明から農業文明への一大転換期であったのに対し、後者は同じ農業文明の中での転換期にすぎないということです。

前波と後波の関係は、どのようになっているのでしょうか。世界の人口波動における個別波動の推移を振り返っておきましょう。

①人口波動を構成する個別波動は【人口容量=(自然環境×文明)/一人当たり生息水準】の変化によって生まれてくるから、文明の変化が最も基本的な起動要因である。

②人類が経験してきた5つの個別波動を振り返ると、最初の石器前波では旧石器文明が、2番めの石器後波では新石器文明が、3番めの農業前波では粗放農業文明が、4番目の農業後波では集約農業文明が、5番目の工業現波では科学技術文明が、それぞれ起動要因となっている。

③石器前波と石器後波は旧石器と新石器という石器文明、農業前波と農業後波は粗放農業と集約農業という農業文明によってそれぞれ生まれたものだが、現在の工業現波は新旧や前後が未定のままの科学技術文明に準拠している。

5番めの工業現波は、工業文明の前半に当たる工業前波というべき段階であり、6番めの波動として、新たに工業文明の後半にあたる工業後波が推測できる。

このような推移から推論すると、きたるべき工業後波の様相は次のように展望できます。

①現在の工業現波は科学技術文明の前半が作り出した工業前波というべきものであり、その先には科学技術文明の後半が作り出す工業後波が予想できる。

現在の科学技術文明は、その完成段階からみれば、未だ粗放段階にすぎず、次の進化路程には集約段階が予想できる。つまり粗放科学から集約科学への識知転換である。

③集約科学文明を生み出す時代識知を予想するには、過去の変化、つまり粗放石器文明から集約石器文明へ、粗放農業文明から集約農業文明への移行過程を先行モデルにすることができる。

とすれば、ル・ルネサンスの基本構造を推察するには、次のような要件を検討することが求められるでしょう。

①石器文明、農業文明、工業文明の進展過程が、時代識知のどのような変容構造によって生まれてきたのか、を明らかにする。

②旧石器文明と新石器文明、粗放農業文明と集約農業文明が、それぞれどのような発展構造によって進んできたのか、を明らかにする。

③次代の個別波動を模索した、一つ前の個別波動の下降期の変容過程を、過去の4つの下降期から推察する。

以上のように、ル・ルネサンスがいかなる時代になるかを予測するには、過去の5つの個別波動を作ってきた文明の本質、つまり時代識知の変容過程を予め確認しておくことから始めなければなりません。

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