しかし、長期的な社会予測を行おうとすれば、新たな方法論として、単純な時間サイクルに頼らない、別種の循環法が求められます。
そこで、新たな循環法の可能性として、筆者はあえて人口波動法(Population Cyclics)という予測法を提唱しました。
人口波動法は、時間サイクルの代わりに、長期的な人口推移に見られる波動サイクルを説明変数にするものです。
すでに【経済学の循環論とは大きく異なる!:2018年11月6日】で述べていますが、この循環法には次のような特徴があります。世界波動を示しつつ、具体的に説明してみましょう。
◆循環法としての人口波動法の特徴
①個別波動の始動―終了の期間はさまざまであり、一定していない。
②個別波動の進行過程もさまざまな形をとり、一定していない。
③それにもかかわらず、個別波動の進行過程には、始動―離陸―上昇―高揚―飽和―下降の6つの時期が見られる。
④6時期のそれぞれには、人口容量(環境×文明)と人口推移との関係において、共通の社会構造が見られる。
⑤それゆえ、現在の人口が6時期のどの位置にあり、どこへ向かおうとしているかを確認することにより、過去の個別波動とのアナロジーを用いて、基本的な社会構造を予測することができる。
②個別波動の進行過程もさまざまな形をとり、一定していない。
③それにもかかわらず、個別波動の進行過程には、始動―離陸―上昇―高揚―飽和―下降の6つの時期が見られる。
④6時期のそれぞれには、人口容量(環境×文明)と人口推移との関係において、共通の社会構造が見られる。
⑤それゆえ、現在の人口が6時期のどの位置にあり、どこへ向かおうとしているかを確認することにより、過去の個別波動とのアナロジーを用いて、基本的な社会構造を予測することができる。
要約すれば、環境・文明・人口が一体化して作り出す人口波動には、社会の全体的な動きが最も適確に現れていますから、一つの波動の幾つかのプロセスにも、各時期特有の社会的特徴を見つけることができます。
そこで、現在の人口動向が波動のどの位置にあるかによって、その時期の社会的な特徴が推定でき、さらに今後の人口動向がわかれば、未来の社会を予測することもできます。
予め人口を予測しておく必要がありますから、単純な時間による循環法よりも、かなり手間がかかりますが、物理的な時間サイクルに頼らないという点で、コンドラチェフ長波の欠陥を大きく乗り超えていけそうです。
それゆえ、人口波動法を的確に応用すれば、従来とはまったく新たな視点から未来社会の展望が可能になってくるでしょう。
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