2022年7月4日月曜日

世界の主要国は人口減少へ!

世界人口の急減が注目される中で、人口大国を誇る国々にも減少が迫っています。

国際連合2019年予測の低位値に基づき、1億人以上の主要国について、それぞれの人口動向を眺めて見ましょう。

グラフで眺めてみると、各国のピークは次のようなものです。

主要国の人口ピーク

国名

ピーク年

人口:百万人

インド

2042

1503

中国

2024

1447

アメリカ

2047

349

パキスタン

2065

320

インドネシア

2045

302

エチオピア

2079

216

エジプト

2078

161

ブラジル

2031

219

バングラディシュ

2039

177

ロシア

2020

146

日本

2009

129

データ出所:U.N.人口予測2019.低位値

これを見ると、次のような傾向が読み取れます。

10億人以上を誇る国々では、中国2024年、インド2042年と、ともに2050年より前にピークを迎えます。

5億人以下の国々でも、ロシア2020年、ブラジル2031年、バングラディシュ2039年、インドネシア2045年、アメリカ2047年と、各大陸の主要国が2050年より前にピークとなります。

2050年以降にピークを迎える国は、パキスタン2065年、エジプト2078年、エチオピア2079年と、アジア、アフリカの国々です。

以上のように、現代の世界をリードする国々もまた、今後30年ほどの間に人口減少国となっていきます。

とすれば、人口減少をなんとかせき止め、人口維持国人口増加国を目指すというのは、ほとんど的外れの方向ではないでしょうか。

それよりもこれから30年、2050年を過ぎるころには、世界の主要国はいずれも人口減少への対応を迫られることになります。

これまでの近代国家は、人口の増加を前提に、消費の拡大と生産の拡大、税収の増加と社会福祉の拡大、居住地の拡大とインフラの拡充などを目標として、それぞれの社会・経済政策を進めてきましたが、もはやその時代は終わったのです。

今後は人口の減少を前提に、消費の縮小と生産の適合、税収の見直しと社会福祉の変革、居住地の再配とインフラの適合化などを、新たな国家目標として、社会・経済政策を進めていくべき時代になったのです。

歴史を振り返れば、人口の推移には、増える時代と減る時代が何度かありました。その都度、各国の人々はそれぞれに対応する社会を造り上げ、新たな時代への橋渡しをしてきました。人口変化にいち早く対応する国こそ、次代を切り拓く先進国なのです。

とすれば、1921世紀前半の世界をリードしてきた人口増加・成長・拡大型国家、アメリカ中国はもとより、人口維持をめざす福祉国家、イギリススウェーデンなども、このままの対応状況では、もはや先進国とはいえなくなるでしょう。

21世紀後半の世界をリードするのは、人口減少に積極的に対応する国家、つまり「人減対応先進国」という、新たな先進国なのです。

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