日本列島の人口容量=列島の自然容量×文明
この式の右辺である自然容量のうち、天候・気候条件は時代とともにかなり変動してきました。地球の気象変動に連動して気温の高低や降雨量の増減などを繰り返してきたからです。
しかし、地形・地勢条件については、この3万年の間、比較的安定していた、といえるでしょう。旧石器時代の地勢変動を除けば、地形に大きな変動はありません。また国境が大幅に変わったり、国土が分断されるといった社会的変化も比較的少なく、ほぼ同一の環境下で推移してきました。
とすれば、人口容量を変えてきた主な要因は、日本列島に働きかけた文明の変化ということになります。つまり、5つの波の成立要因は、石器文明、農業文明、工業文明などによって作られてきたということです。
それゆえ、5つの波を石器前波、石器後波、農業前波、農業後波、工業現波と名づけますと、それぞれの波の特徴は次のように整理できます。
- 紀元前3万年に始まる「石器前波」は「旧石器文明」に基づいて成立した約3万人の波
- 前1万年に始まる「石器後波」は「新石器文明」によって形成された約26万人の波
- 前500年に始まる「農業前波」は「粗放農業文明」で作られた約700万人の波
- 西暦1300年に始まる「農業後波」は「集約農業文明」で新たに作りだされた約3250万人の波
- 1800年から始まる「工業現波」は「近代工業文明」で作られた約1億2800万人の波
の5つです。
いいかえれば、これらの波はさまざまな文明の作りだした、5つの人口容量に基づいて生まれたものです。
それが故に、それぞれの人口容量が延び続けている間は、人口は増加しますが、容量の壁に突き当たると、停滞や減少に向かっていきます。これが人口波動の起こる要因です。
こうした人口波動は、日本列島を超えて、地球全体、つまり世界人口の推移にも見られます。
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