日本列島の人口容量の推移、つまり日本列島の人口推移については、拙著『日本人はどこまで減るか』や『人口波動で未来を読む』などで詳しく述べています。以下では、その要旨を一通り紹介しておきましょう。
日本の人口をできるだけ古くまで遡って調べてみると、古代の聖徳太子や行基から中世の日蓮、近世の新井白石や勝海舟らを経て、現代の文化人類学者や歴史人口学者に至るまで、多くの先人たちのさまざまな推計があります。
この中には、現代統計学の水準からみて必ずしも正確な数字とはいえないものも含まれていますが、前後の整合性から取捨選択してみると、大局的な流れをつかむことができます。
それは約3万年前に始まり21世紀末に到る、おおまかな推移といえるものですが、この数値をそのままグラフにしてみると、左図のような極端な急カーブになります。いわゆる指数曲線です。
そこで、Y軸を正対数、X軸を逆対数にして作図しなおしてみますと、右図に描いたような、幾つかの波が浮かんできます。大きな流れはロジスティック曲線のように見えますが、よく見ると、かなり明確に5つの波を読みみとることができます。
筆者は、この波を19年前、初めて「人口波動」と名づけました(『人口波動で未来を読む』1996)。
5つの波動が生まれた要因は、列島の人口容量が〔V(人口容量)=n(自然容量)×C(文明)〕という式で動いてきたからだ、と思います。いいかえれば、〔日本列島の人口容量=列島の自然容量×文明〕ということです。
文明の変化によって、どのような波動が生まれてきたのか、その推移をこれから考えていきます。
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