2025年2月18日火曜日

マナイズムは深層言語が創った!

石器前波を創ったマナイズムから、石器後波を創ったアニミズムへと、時代識知の変換を担ったのは「深層言語」から「象徴言語」への移行でした。

マナイズム(manaismを生み出した深層言語とは、どのような言葉だったのでしょうか。筆者の別のブログ(生活学マーケティング)の【言語6階層説:深層言語とは・・・】では、次のように説明しています。


深層言語とは、「身分け」が把握したものの、「識分け」が漏らした、無意識(深層意識)の事象を、言葉になる前のイメージや偶像などで表した記号です。

いいかえれば、感覚が捉えた対象を、意識が把握する前の、体感的・心像的な動作やイメージであり、自然的な言葉が生まれる前に、胎内的な言葉が湧き上がる次元です。

具体例としては、音声言語(無意識のため息、喘ぎ、息づかい)動作言語(無意識の手振り、身振り、しぐさ)などが考えられます。

このような深層言語こそ、マナイズムを産み出した、認識的な基盤でした。

マナイズムは【アニマティズムという時代識知】で述べたように、イギリスの人類学者、R.R.マレットが提唱した観念形態です。

彼によれば、マナイズムとは、動植物のみならず無生物や自然現象など、すべてのものに生命があり、生きている、と察知する考え方です。

人間、事物、動植物、諸現象の作用や活動とは、活力、威力、生命力、呪力、超自然力である、と感じる心理や態度である」と考えて、「活力や生命力という観念が、歴史的にも心理的にも霊魂や精霊という観念に先行している」と述べています(Pre-animistic Religion1900)

メラネシアやポリネシアの先住民が抱いているマナ(manaという観念は、超自然力や呪力であり、神や人間はもとより自然現象全てに含まれて、物から物へと転移していきます。

例えば、戦士が敵を倒せるのは、槍に強力なマナが付加されているからです。南アフリカのコーサ人が、暴風が吹きよせる時、丘に登って風の進路を変えるように呼びかけるのは、暴風に霊魂を認めているのではなく、暴風そのものを生き物とみなして反応しているからだ、と説明しています。

要するに、未開時代の人間は、動物や事物そのものに非人格的な威力や活力を認めたうえで、それらに情動的に反応し、驚異や恐怖、さらには尊敬や畏敬の念を抱いていた、と考えているのです。

とすれば、無意識のため息、喘ぎ、息づかいや、無意識の手振り、身振り、しぐさなどという、まさに深層言語によって、環境世界の動態を直観的に把握した識知、これこそがマナイズムだったのではないでしょうか。

このような深層言語によって、太陽や月、風や波、獣や魚などの動きを、世界を動かす動力や活力の根源と捉える観念そのものが、速やかに創り出されたのです。

深層言語こそ、マナイズムの創造源だった、と言えるでしょう。

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