理知言語の浸透で、世界認識に「サイエンス(科学)」という「時代識知」が広がると、科学技術という文明が生み出され、5つめの人口波動「工業現波」が始動した、と述べてきました(サイエンスという識知が工業文明を創った!)。
言語の進展で新たな文明が創り出され、それによって新たな人口波動が浮上し始めるというプロセスは、これまでの論述で何度も述べてきました。深層言語により石器前波が、象徴言語により石器後波が、表象言語により農業前波が、思考言語により農業後波が、理知言語により工業現波が・・・という次第です。
となると、新たな言語の発生で、現在の「工業“現”波」が「工業“前”波」となり、次の波動である「工業“後”波」が始まる可能性も生まれてきます。すでに飽和期を迎え下降期に移りつつある、現在の世界人口もまた、新たな波動の準備を始めるかもしれない、ということです。
このような動きは胎動しているのでしょうか。
確かな動きとは言えないかもしれませんが、コンピューター文明からAI文明への発展を担っているプログラム言語には、その可能性があります。モノ造りを発展させたサイエンスを超えて、コト造りへの移行を促し始めているからです。
そこで、この言語をとりあえず「電子言語」と名づけることにします。電子情報空間によって、生活民の生活空間を操作し始めているからです。
電子言語はいかにして生まれ、どのように発展してきたのでしょうか。まずはその経緯を振り返っておきましょう。
電子言語を代表するプログラム言語は、次のように発展してきました。
◆1940年代〜50年代初頭の黎明期には、0と1の羅列だけで指示を出す「機械語 (Machine Code)」が生まれました。 ◆1950年代後半から60年代になると、FORTRAN、 COBOL、LISP など、特定のコンピューターに依存せず、数式や英語に近い表現で書ける「高水準言語」が登場しました。 ◆1970年代には、プログラムが複雑化するにつれて、C言語、Pascalなど、「整理整頓」して書く手法(構造化プログラミング)が求められるようになりました。 ◆1980年代から90年代初頭にソフトウェアの規模が巨大化し、C++、Objective-Cなど「データ」と「手続き」をセット化する「オブジェクト指向プログラミング」が進展しました。 ◆1990年代から2000年代になると、インターネットの爆発的な普及でネット専用ソフトが誕生し、Java、JavaScript、Pythonなど、開発スピードと安全性が重視されるようになりました。 ◆2010年代には、Swift、Go、Rustなど、安全性と効率を高めるため、よりエラーが少なく、並列処理が得意な「モダン言語」が登場しています。 ◆2020年代になると、GitHub Copilot、DSLなど、AI支援プログラミングが進展し、自然言語からコード生成へと補完力を強化させ始めています。 |
こうしてみてくると、電子言語は「コンピューター専用の言葉」から始まりましたが、半世紀の間に「人間の会話に近い言葉」への移行が進み、間もなく「人間の会話をそのまま書く言葉」へと進化しつつあるようです。
人口波動との関係で言えば、工業現波の高揚期に始まった新言語が、飽和期が近づくにつれて急速に成長し、下降期に向けて完成されようとしている、ともいえるでしょう。
このような電子言語とはいかなるものなのか、このブログ、言語生成・新仮説の視点から改めて考察していきます。
