2023年12月3日日曜日

ル・ルネサンス:複合経済制を準備する!

ル・ルネサンスの進むべき生産・分配体制も、市場交換・互酬・再配分・家政の諸制度がほどよくバランスした「複合社会」をめざすべきだ、と述べてきました。

そうだとすれば、工業後波の新たな社会知の方向に従って、生産・分配体制にも、次のような3つの大転換が求められるでしょう。



①言語機能:分節化から合節化へ

極端な市場・政府依存を脱し、互酬や家政の再構築によって、経済構造のバランス化をめざします。

肥大化した市場交換を、租税バランスの変更や共同体的統制の強化などで、極力抑制していくとともに、再配分、互酬、家政の3領域をできるだけ強化していく。

負荷の増加する再配分制度を見直し、税収規模や社会保障構造などの、適正な規模を作り出していく。

互酬制を拡大させるため、地域社会や地縁共同体など伝統的共同体の再建や、シェアリング家族やコレクティブ家族など新型共同体の構築を、多面的に支援していく。さらに地球単位の互助組織、「グローバル・レシプロシティー」(後述)を拡大し、国家による再配分の比重を緩和する。

家政の自給自足力を高めるため、農・漁業自営者、独立系生活者など、自立的な生活民に向けて育成や支援を行う。

市場、再配分、互酬、家政の4領域をそれぞれ深化させるとともに、4つを連携・協調させるような、統合的な仕組みを構築していく。

②数値機能:数値絶対化から数値相対化へ

数量的な指標を優先する視点から、量と質の調和をめざす視点へ、行動視点の転換を図ります。

経済統計や株価指標などに拘泥する社会・経済運営から脱却し、さまざまな現象の示す数値以外の情報や動静を、より全体的に把握できるような観察・運営行動を拡大する。

経済実態とかなり乖離しつつある貨幣指標や株価指標などを修正するため、経済事象をより多角的に把握できる、新たなシンタックス(統辞法)とそれに基づく指標を作り出していく。

③把握機能:システム化からストラクチャー化へ

点と線による効率優先の生産・分配方式から、面と面を重ねて、中身を濃くするような生産・分配方式への転換をめざします。

システムの主導する市場交換や、システムとストラクチャーの混在する再配分には、ストラクチャーの強化を計る。

❷非システム的な互酬と家政には、新たなストラクチャーの構築や強化を進めていく。

❸市場交換のシステム化を他の領域に強引に押し広げるのではなく、4つの領域を構造的に連携させるような、包括的な運営方式を創り出していく。

かなり抽象的な行動目標となりましたが、要約すれば、圧倒的な市場交換中心経済から、生活民一人一人が自立性を再構築できる生産・分配制度へ向かって、数量的な指標を優先する行動視点から、量と質の調和をめざす行動視点への転換を図りつつ、点と線による効率優先の生産・分配方式を、面と面を重ねて中身を濃くする生産・分配方式へと移行させるなど、構造的な転換を推進していく、ということです。

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