2023年7月5日水曜日

世界人口はなぜ減っていくのか?

このブログでは、何度も述べていますが、世界人口にピークが迫っています。

国連の最新人口予測「World Population Prospects 2022」によれば、世界の人口は中位値で2086年に104億人、低位値で2053年に89億人で、それぞれピークとなります。

ワシントン大学・保健指標評価研究所の「Forecast 2020」によれば、参考値で2064年に97億人で、SDG準拠値で2050年の88億人で、それぞれピークに達します。

今回のコロナ禍の影響を考慮すると、国連の低位値、ワシントン大のSDG準拠値へ接近する可能性が限りなく高まっています。

そうなると、10億人以上の国々では、中国が2022年、インドが20465億人以下の国々でも、ロシアが2022年、ブラジルが2033年、アメリカが2040と、主要な国々が2050年より前にピークに達します(国連・低位値)。

今後30年ほどの間に、世界中の主要国はいずれも人口減少へ向かうことになる、ということです。

なぜピークに達するのか、さまざまな見解がありますが、当ブログの視点からいえば、地球の人口容量が限界に近づき、人口抑制装置が作動し始めているからです。

現在の地球人口の推移、つまり「工業現波」は1400年頃にスタートし、1900年頃から急拡大した人口波動ですが、2000年を超えた辺りから徐々に停滞し始め、今後30年ほどで増加から減少に転ずる、ということです。

人類の歴史を、長期的人口波動から振り返れば、5回目の減少が始まろうとしているのです。

そうなると、増加から停滞へ、停滞から減少へ、そして減少継続へと進む、21世紀の世界は、いかなる方向へ変化していくのでしょうか。人口波動説の立場から、おおまかに展望しておきましょう。


人口容量の限界化・・・【人口容量=地球環境×近代文明】が限界に近づいている。

容量/人間の拡大化・・・世界各国で生活民の生活水準が急上昇し、分配量を急増させている。

抑制装置の作動・・・人口急増が人口容量を突破するという、壊滅的な破局を避けるため、さまざまな人口抑制装置が作動し始めている。

およそ半世紀は減少の時代・・・世界各国で人口減少が定着するにつれて、さまざまな縮小対応策が生まれてくる。

減少期は次期波動の準備期・・・縮小策の検討の中から、新たな人口容量の創造をめざす、大胆な発想転換が行われ、幾つかの具体策も進み始める。

以上のようなプロセスを、さらに詳しく考えていきましょう。 

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