2022年8月6日土曜日

人口容量1億人を維持するには・・・

人減先進国、日本の未来を構想しています。

どこまで人口が減ってゆくのか、国立社会保障・人口問題研究所の予測では、ほぼ50年後の2070年前後に最高値で9,300万人、最低値で7,500万人、中位値で8,300万人まで落ちていきます。

今回のコロナショック、今後の経済混乱や国際紛争などを考慮すると、最低値と中位値の間、8,000万人くらいか、と推測されます。

2070年に8,000万人の人口を養って行くには、どれだけの人口容量が必要なのでしょうか。

前回12,800万人の人口容量を維持しつつ、8,000万人の人達が現状並みの生活水準を維持していくには、1564歳の人々がこれまでの1.52倍の労力を担わなければならない、と述べ、その改善策として、生産年齢を1580歳まで上げる、ITやロボット技術等の導入促進、移民の増加、の3つを上げました。

さらに3つが困難なら、人口容量を徐々に落としつつ、国民全体の容量水準をできるだけ維持していくという方向も考えられる、と述べてきました。

どこまで人口容量を落とせるのでしょうか。

現代の日本、空間的には日本列島の人口容量は、12,800万人です。

その構造は6年前の当ブログ【12,800万人=自給7,600万人+輸入5,200万人】で述べているように、国内容量と輸入容量を合わせたものです。

戦後日本の人口容量は、技術革新による国内自給体制の拡大に加え、高度な工業製品を輸出して生活資料を輸入するという加工貿易体制によって作り上げられました。

21世紀に入り、この構造が満杯になったのは、工業先進国だけが高価な工業製品を生産し、発展途上国が廉価な生活資料を担当するという国際構造が急速に終わってきた、という事情があります。

とすれば、人口容量12,800万人の維持はかなり困難なのではないでしょうか。自給できる7,600万人体制へ戻るという選択もありえますが、グローバル化の進んだ21世紀にはいささか無理ともいえるでしょう。

そこで、とりあえず8割、10,000万人程度に落としていく、という方向を考えてみます。

その場合にも、次のような3つの方向が想定できます。

自給分7,600万人を維持して、輸入分を2,400万人に減らす。

②自給分6,000万人、輸入分4,000万人と、両方を8ほどに縮小する。

輸入分5,200万人を維持して、自給分を4,800万人に減らす。

生産年齢人口の減少や21世紀の国際環境を考えれば、輸入分のみの減少や維持といった方向は、ともに困難だと思われますから、実際の方向としては②が妥当ではないでしょうか。

もしこれが実現できれば、2070年ころに生産年齢人口に当たる人々の負担は、12,800万人時の3.4倍に対し、2.8倍ほどの負担で人口容量を維持できることになります。


つまり、最大時の半分ほどに減っていく生産年齢人口によって、8割ほど縮小した容量、つまり自給分と輸入向け対価分の両方を紡ぎ出すという方向です。

そのためには、➌の移民増加はかなり困難と思われますから、❶1580歳の日本人が❷ITやロボット技術などを駆使して、この容量を創り上げていく、という方向こそ実現性が高いと思われます。

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