間接的な抑制では、増加抑制とともに減少促進も始まっています。代表的な事例が、自然環境の悪化や健康水準の低下です。
自然環境悪化・・・現代工業文明のもたらした産業・都市・生活構造は、大都市への人口集中や産業構造の濃厚化などを引き起こし、日本列島をとりまく自然環境を急激に悪化させています。
一例として大気汚染の状況をみると、1990年代から急増した温室効果ガスの量は、2008~11年に産業活動の停滞により一時的に減少しましたが、2012年以降再び増え始めています。この影響が気候不順や温暖化となって、日本列島に住む人々の生命力をじわじわと蝕み始めています。
死因別死亡者数・・・自然環境の悪化は、もう一方で急進する人口年齢構成の上昇と絡まって、日本列島居住者の健康状態を悪化させ、悪性新生物、心疾患、肺炎、老衰などさまざまな病気を増加させています。
以上のように、日本列島の人口容量を造り上げてきた現代工業文明は、そのものに内在する、幾つかの要因によって、今や人口増加を抑え、人口減少を促す方向へと動き出しているのではないでしょうか。
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