間接的な抑制では、増加抑制とともに減少促進も始まっています。代表的な事例が、自然環境の悪化や健康水準の低下です。
自然環境悪化・・・現代工業文明のもたらした産業・都市・生活構造は、大都市への人口集中や産業構造の濃厚化などを引き起こし、日本列島をとりまく自然環境を急激に悪化させています。
一例として大気汚染の状況をみると、1990年代から急増した温室効果ガスの量は、2008~11年に産業活動の停滞により一時的に減少しましたが、2012年以降再び増え始めています。この影響が気候不順や温暖化となって、日本列島に住む人々の生命力をじわじわと蝕み始めています。
死因別死亡者数・・・自然環境の悪化は、もう一方で急進する人口年齢構成の上昇と絡まって、日本列島居住者の健康状態を悪化させ、悪性新生物、心疾患、肺炎、老衰などさまざまな病気を増加させています。
以上のように、日本列島の人口容量を造り上げてきた現代工業文明は、そのものに内在する、幾つかの要因によって、今や人口増加を抑え、人口減少を促す方向へと動き出しているのではないでしょうか。
2015年4月24日金曜日
2015年4月17日金曜日
間接的抑制ではまず増加抑制装置が動いた!
人為的抑制装置では、直接抑制に続いて間接的抑制も始まっています。
その一つが増加抑制装置であり、結婚の抑制、子どもの価値の低下、家族の縮小などが進んでいます。
●結婚抑制では「一生結婚するつもりはない」人たちの数が、18~34歳の未婚者の間で2005年ころから急上昇しており、2010年には男性で9.4%、女性で6.8%に達しています。
●子どもの価値の低下では「子どものいない世帯」が漸増しており、2010年に「夫婦のみ」の世帯は19.8%に達しています。「単独世帯」を合わせると、一般世帯のうち52.2%が「子どものいない」世帯ということになります。
●こうした傾向に促されて、家族の大きさ、つまり世帯当たりの人員も90年代から一貫して縮小しており、2014年には2.32人まで落ちています。
以上のようなトレンドは、出生数を減少させ、人口増加を抑制することになります。
その一つが増加抑制装置であり、結婚の抑制、子どもの価値の低下、家族の縮小などが進んでいます。
●結婚抑制では「一生結婚するつもりはない」人たちの数が、18~34歳の未婚者の間で2005年ころから急上昇しており、2010年には男性で9.4%、女性で6.8%に達しています。
●子どもの価値の低下では「子どものいない世帯」が漸増しており、2010年に「夫婦のみ」の世帯は19.8%に達しています。「単独世帯」を合わせると、一般世帯のうち52.2%が「子どものいない」世帯ということになります。
●こうした傾向に促されて、家族の大きさ、つまり世帯当たりの人員も90年代から一貫して縮小しており、2014年には2.32人まで落ちています。
2015年4月10日金曜日
直接的抑制装置も作動している!
生物的抑制装置に続いて、人為的抑制装置も作動し始めています。
しかし、人為的抑制装置の方は、人口容量の制約が次第に目立ち始めた1980~90年代から強まってきたものの、2005~2008年に人口増加がピークを過ぎて容量に幾分ゆとりが見え始めると、今度は逆に弱まるという動きを見せています。
●例えば増加抑制装置の一つ、人工妊娠中絶件数は、1950年代以降一貫して減ってきたトレンドが、1999~2003年ころに上昇し35万人に近づきましたが、その後は再び減少傾向に移り、2012年には20万人を割っています。
●減少促進装置の一つ、自殺数は1998年ころから急増し、その後10年間はほぼ3万人ラインを続けてきましたが、2010年以降は次第に減少し始めています。
これらの現象は、生物抑制装置が無意識的次元で作動するのに対し、人為的抑制装置の方は人間の意識次元に基づいて作動するという傾向を示しています。
私たち日本人は、1980年代から2000年代前半にかけ、人口容量の制約の強まっていく中で、意識的に増加抑制と減少促進を強めてきました。
しかし、2000年代後半から制約が幾分薄まってくると、今度は抑制装置もまた少しずつ緩め始めているものと思われます。
しかし、人為的抑制装置の方は、人口容量の制約が次第に目立ち始めた1980~90年代から強まってきたものの、2005~2008年に人口増加がピークを過ぎて容量に幾分ゆとりが見え始めると、今度は逆に弱まるという動きを見せています。
●例えば増加抑制装置の一つ、人工妊娠中絶件数は、1950年代以降一貫して減ってきたトレンドが、1999~2003年ころに上昇し35万人に近づきましたが、その後は再び減少傾向に移り、2012年には20万人を割っています。
●減少促進装置の一つ、自殺数は1998年ころから急増し、その後10年間はほぼ3万人ラインを続けてきましたが、2010年以降は次第に減少し始めています。
私たち日本人は、1980年代から2000年代前半にかけ、人口容量の制約の強まっていく中で、意識的に増加抑制と減少促進を強めてきました。
しかし、2000年代後半から制約が幾分薄まってくると、今度は抑制装置もまた少しずつ緩め始めているものと思われます。
2015年4月4日土曜日
生存能力も低下し始めた!
生物的抑制装置では、「生殖能力の低下」とともに「生存能力の低下」も始まっています。
日本列島の住民を一つの個体群と考えると、すでに死亡数の増加が始まっているのです。
●死亡数・死亡率が上昇している
死亡数は、1950年代後半から70年代までは70 万人前後で推移していましたが、1980 年代から増加傾向に転じ、1990年以降は80 万人台、1995年以降はほぼ90 万人台となり、2003 年に100 万人を超え、2007 年に110 万人、2011 年以降は120 万人台となっています。
このため、総人口に対する死亡率も、1950年の10.9‰から1979年に6.0‰で最低を記録した後、上昇に転じ、2003年に8‰を超え、2013年にはすでに10.1‰に達しています。毎年100人に1人が亡くなっているのです。
●平均寿命の伸びが縮小している
この背景には平均寿命の伸び悩みがあります。日本人の平均寿命は、1950年の男59.57歳、女62.97歳から、1980年の男73.35歳、女78.76歳、2010年の男79.55歳、女86.30歳を経て、2013年には男80.21歳、女86.61歳と、男女ともに80歳を超えています。
これをみると、順調に伸びているようですが、伸び率をみると、すでに低下に移っています。平均寿命の年間伸び率は、1950年代前半の男1.32%、女1.47%から、1970年代前半の男0.69%、女1.59%、1990年代前半の男1.12%、女1.23%を経て、2010年代前半に男は1.28%とやや回復しましたが、女は1.12%と徐々に低下しています。女性がリードしてきた平均寿命にも、今や翳りが見えてきました。
日本列島の住民を一つの個体群と考えると、すでに死亡数の増加が始まっているのです。
●死亡数・死亡率が上昇している
死亡数は、1950年代後半から70年代までは70 万人前後で推移していましたが、1980 年代から増加傾向に転じ、1990年以降は80 万人台、1995年以降はほぼ90 万人台となり、2003 年に100 万人を超え、2007 年に110 万人、2011 年以降は120 万人台となっています。
このため、総人口に対する死亡率も、1950年の10.9‰から1979年に6.0‰で最低を記録した後、上昇に転じ、2003年に8‰を超え、2013年にはすでに10.1‰に達しています。毎年100人に1人が亡くなっているのです。
●平均寿命の伸びが縮小している
この背景には平均寿命の伸び悩みがあります。日本人の平均寿命は、1950年の男59.57歳、女62.97歳から、1980年の男73.35歳、女78.76歳、2010年の男79.55歳、女86.30歳を経て、2013年には男80.21歳、女86.61歳と、男女ともに80歳を超えています。
これをみると、順調に伸びているようですが、伸び率をみると、すでに低下に移っています。平均寿命の年間伸び率は、1950年代前半の男1.32%、女1.47%から、1970年代前半の男0.69%、女1.59%、1990年代前半の男1.12%、女1.23%を経て、2010年代前半に男は1.28%とやや回復しましたが、女は1.12%と徐々に低下しています。女性がリードしてきた平均寿命にも、今や翳りが見えてきました。
現代文明の作りだした人口容量のもとで、これまで順調に伸びてきた平均寿命にも、そろそろ限界が見えてきたのでしょう。
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