2017年6月20日火曜日

労働力人口を維持するには・・・

生産年齢人口の減少が避けられないとすれば、労働力人口を可能な限り増やしていくことが必要です。

労働力人口とは、15歳以上の人口から非労働力人口(主婦や学生など労働能力はあっても働く意思をもたない者、あるいは病弱者や老齢者など労働能力をもたない者)を差し引いた人数です。

この労働力人口が15歳以上人口に占める比率が労働力率です。

労働力人口と労働力率の推移を振り返ってみると、下図のようになります。

人口増加に伴って、労働力人口は2010年ころまで順調に伸びてきましたが、1990年代以降は労働参加率の低下によって、2000年ころから減少してきました。

しかし、2010年以降、女性や高齢者の労働参加が進み始めたため、2015年には幾分回復していきました。

前回見たように、生産年齢人口(15~64歳)は今後、年齢区分を見直したとしても、なお急減していきます。

とすれば、生産力を維持するには、労働力率をさらに上げていくことが求められます。

労働政策研究・研修機構の「労働力需給の推計・2016年版」によれば、下図のように労働力率を現在の59%台から2020年には60.2%へ、2030年には60.8%へと上げていきことができれば、労働力人口は現在の6580万人台から、2020年には6589万人2030年には6362万人まで維持していけるものと推測しています。
要するに、15歳以上の国民にできるだけ働いてもらえるよう、さまざまな対策を展開する必要がある、ということです。

具体的に言えば、女性や高齢者・障碍者などがいっそう労働に参加できるように、働き方の改革や雇用制度の改革などを積極的に進めていくことでしょう。

女性の参加率拡大については、ダイバーシティ経営の実践や促進、待機児童解消対策の強化、産休・育休制度の拡張など、女性が働きやすい体制造りが求められます。

高齢者の参加率改善については、65歳以上まで働ける雇用体制の拡大、ハローワークなどでの生涯現役支援体制の拡大、体力に見合った雇用体制の拡大などが求められます。

人口減少に伴う生産力の減少に対応していくには、まずは以上のような労働力率の上昇が求められます。

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