5度目の人口減少が始まって約10年、急激に変化する社会に、私たちはどのようにつきあっていけばいいのでしょうか。
人口回復の可能性については、少子化対策の強化や移民拡大政策の導入など、さまざまな対応案が提唱されていますが、それらの実現性や効果がどれほどのものなのか、明確な展望は未だ出されていません。
このブログでも、人口容量と人口抑制装置という視点から、こうした課題について幾度か触れてきましたので、これから改めて整理していきたいと思います。
基本的な展望として、このブログでは、人口回復の可能性を次の図のように想定しています。
グラフの中の高・中・低位とは国立社会保障・人口問題研究所の予測値であり、新予測値とは、既存の予測値を基礎にしつつ、「国民の生活意識が人口減少に次第に対応してくる」という、筆者独自の予想を前提に、新たに予測したものです。
(詳細は「人口減少社会の背景と展望 : 生活心理と消費行動のゆくえ」㈶統計研究会・内外経済情勢懇談会編「Ecoレポート」79号)
予測のプロセスは「人口は再び増加する!」でも触れていますが、その大略は次のとおりです。
①2010年以降の人口予測値については、国立社会保障・人口問題研究所2012年推計の中から低位値を基本にしています。
②2035~2100年については、人口容量に対する国民の「総期待値」が2035年ころに1970年の水準に戻ると想定し、その後の出生率と死亡率が2100年までに2035年の水準にまで回復するという仮説にたっています。
③以上の条件によると、今後の人口は2070年代に6660万人で底を打ち、2100年には7000万人台まで回復してきます。
この新予測値は、もし回復可能性があるとすれば、どのあたりにあるのかという、淡い期待に基づいています。
果たしてこれが実現できるのか、さまざまな側面から考察していきます。
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