国立社会保障・人口問題研究所が2023年4月26日に発表した新・将来人口推計では、100年後の2120年、日本の人口は、高位値では7203万人、中位値では4973万人、低位値では3483万人まで減っていく、と予測されています。
この3つの推計値について、幾つかの視点から考えてみましょう。
①世界の国別ランキングでは、どのあたりに落ち着くのか。
2023年4月の国別ランキングで比較すると、現在の12位から2120年には、 高位値7203万人で20位のタイ 中位値4973万人で29位の韓国 低位値3483万人で43位のウズベキスタン のあたりにまで落ちていきます。 |
②外国人在留者の数はかなり増加する。
2120年の外国人在留者の数、および総人口に占める比率は、 高位値7203万人のうち1205万人:16.7%、 中位値4973万人のうち850万人:17.0%、 低位値3483万人のうち612万人:17.5% といずれのケースでも17%ほどになるよう仮定されています。 |
③外国人の受け入れ比率は世界の10位以内に上がる。
急増する外国人の受け入れ量を、主要国の外国人移民受け入れ状況(2019年)と比較してみると、2120年の日本では、高位値(16.7%)、中位値(17.0%)、低位値(17.5%)とも17%前後であり、受け入れランキングでは10位以内に入って行く。 |
以上のように、今回の人口新推計では、国別人口ランキングを大幅に落とすとともに、外国人在留者を増加させることで減少率を抑制し、多民族国家への移行を示唆しているといえるでしょう。
世界中の各国で人口急減が進む時代に、これほどの受け入れが果たして可能になるものでしょうか。もし可能となったとしても、純血主義の高いわが国で、急激な受け入れを順調に推進できるものなのでしょうか。
そのあたりが今後、大きな政策課題となっていくと思われます。