2021年5月15日土曜日

ルネサンスが破壊した統一構造をル・ルネサンスは再興する!

・ルネサンスの進むべき、3つめの要件は「工業後波は農業後波の時代識知を利用する」です。

元々のルネサンスは、【ル・ルネサンスの要件・・・ラストミドルがモデルになる!】で述べたように農業前波の時代識知「ミソロジー」構造を再興することでよって、工業前波を創り上げました。

ここでいう「Mythology(神話)」構造とは、農業後波の「Religion(宗教)」の支配する「統一的・集団的拘束性」を一旦抑え込んで、それ以前の「分散的・個別的充足性」を回復させること、それを意味しています。

こうした先例を応用すると、今後のル・ルネサンスに期待されるのは、工業現波の「Science(科学)」の支配する「分散的・個別的充足性」をしばらく抑え込んで、もう一度「統合的・総合的集中性」を回復させること・・・となるのではないでしょうか。

この動きを新たな世界観の模索と考えて、仮に「ニュー・コスモロジー(New Cosmology」志向と名づけると、それが直に影響してくるのは、次の3つの分野だと思います。

学問・観念分野・・・自然科学、社会科学、人文科学などに分散した、現代の識知構造の基盤にある科学的思考と、その特性である「分散的・個別的充足性」を徐々に修正し、「統一的・集合的」な「New Science(新科学)?」の樹立をめざします。

分析・数量化志向で細分化された思考方法の上に、それらを統合・連結化する方法を取り入れ、領域を超えた知的行動の充実を実現していきます。

社会組織分野・・・政治、行政、経済、企業、自治体、病院など、さまざまな組織に分散した、現代の社会機構に対し、他の分野との連結をできるだけ拡大させ、統合的な連帯行動を実施できるような仕組みを強化していきます。

強度な専門・分担意識による専業化によって、全体的・総合的な対応力を縮小させてしまった分断組織に向けて、分野を超えた共同行動を促し、統一的な目標の実現をめざすことともいえるでしょう。

時代識知次元・・・ルネサンスが厳しく破棄してしまった「Religion(宗教)」の「統一的・集合的並立性」の視点をもう一度復活させるべく、新たな世界観(New Cosmologyを生み出して、Science(科学)と並立させていきます。

過去の人口波動を振り返ると、石器前波の生命力(Dynamism)から後波の霊魂力(Animism)へ農業前波の神話(Mythology)から後波の宗教(Religion)へと、分散的認識から統括的認識へ、つまり分節化から合節化への移行が見られました。

こうした変化は、前者を後者が否定したものと捉えるべきではなく、むしろ前者と後者の並立をめざしたものだ、と理解すべきでしょう。

個々の生命力を霊魂として統一化したり、さまざまな神々を中央神との連携として位置づけるなど、両者の並立化が進んだのです。

以上のように考えてくると、人口波動の前・後波では、前波では分立志向が、後波では統合志向が、それぞれ生まれてきますが、両方の志向は移行するのではなく、後波において並立するのだ、とも考えられます。


農業前波で育った、さまざまな神々は、農業後波においては、エホバや大日如来などの中央神と並立したということです。

こうしたトレンドを工業現波に当てはめれば、工業前波のScienceが作り出した、さまざまな合理性と、工業後波で新たに生み出される新世界観(New Cosmologyがともに連立し、互いに連携をとりつつ、人類の世界を充実化させていくのではないか、と予想できます。 

極端にいえば、約700年前からの、元々のルネサンスが悉く破壊してしまった統一構造を、今回のル・ルネサンスではもう一度復興させ、過去の2つの後波のように、両者を並立させていくことになるでしょう。

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