そうなると、これからの日本社会は、人口急減→人減定着→人口回復という、3つのプロセスを辿っていくことになるでしょう。
①人口急減社会・・・2010~2060年の約50年間で、人口は1億2800万人から8700万人へ4100万ほど急減していきます。
②人減定着社会・・・2060~2090年の約30年間で、人口は8700万人から8200万人へ500万人ほど漸減していきます。
③人口回復社会・・・2090~2140年ころまでの約50年間で、人口は8200万人から1億2800万人へ4600万人ほど回復していきます。
以上のプロセスは、農業後波の後半である江戸中期の社会と比較すると、おおむね次のように予想できます。
①2010~2060年の人口急減社会は、寛保~宝暦期(1741~64年)に相当し、人口減少への対応について、さまざまな試行錯誤が続く時代となるでしょう。
②2060~2090年の人減定着社会は、明和~天明期(1764~89年)に相当し、人口減少にようやく慣れなじんで、その利点を徹底的に活用していく時代となるでしょう。
(この時代の社会予測については、電子本『平成享保・その先を読む: 人減定着日本展望』やブログ「平成享保のゆくえ」などで詳細に述べています。)
③2090~2140年ころまでの人口回復社会は、寛政・文化・文政期(1789~1831年)に相当し、前期の蓄積をベースにして濃密な文化・文明を醸成し、とりあえず人口増加へと転換する時代となるでしょう。
このように考えると、人口減少を嘆いているだけではなく、それぞれの時期に見合った対応策を社会全体で考えていくことが求められます。
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