環境問題で目標となっている「Sustainable(持続可能な)」や「Sustainability(持続可能性)」というキーワードを、人口問題に持ち込んで、人口もまたSustainableやSustainabilityをめざすべきだ、という意見があちこちで囁かれています。
しかし、人口問題に長く関わってきた立場からいえば、かなり違和感があります。
人間を含む動物の人口では、さまざまな事例が示すように、ピークに達した後、そのままの数を持続するのではなく、一旦はダウンするケースが一般的であるからです。
キャリング・キャパシティー(Carrying Capacity)とよばれる環境許容量の上限に達すると、自らその数を減らしていきます。
もっとも、ダウンした後、キャリング・キャパシティーに余裕が出てくると、もう一度アップし始め、再びその上限まで増加していきます。だが、そこでまた壁にぶつかると、またまたダウンし始めます。
その結果、動物の数はキャリング・キャパシティーの範囲内で、小刻みな波動を繰りかえすことになります。
その推移は、いわば「さざなみ=小波(Ripple)」です。
実際、農業後波の後半、江戸中期の人口推移を振り返ると、同じような傾向が読み取れます。
とすれば、人口波動後半の社会とは「Sustainable(持続可能な)」や「Sustainability(持続可能性)」をめざすものではなく、強引に形容詞化あるいは名詞化すれば、「Ripplable(小波的な)」や「Ripplablity(小波的継続性)」へ向かうものだ、ということになるでしょう。
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