増加圧力を活用するには、減少圧力、つまり人口抑制装置の作動を緩和させることが必要です。
装置を緩和できるのか否か、それを決めるのは、作動のきっかけとなった、国民の価値観=総期待肥大値の動きです。
先に【人口は再び増加する!:2015年7月5日】で触れましたが、総期待肥大量は現在、1億6000万人の規模にまで膨れ上がっており、人口容量に多少の余裕が生まれた程度では、抑制装置を緩和するまでには至りません。
振り返ってみると、抑制装置が作動し始めたのは、総期待肥大値が1億2800万人の人口容量を超え始めた1960年代でした。・・・【人口抑制装置を緩められるか?:2017年8月8日】
この頃から抑制装置が徐々に強まるにつれて、人口の伸び率も次第に低下し、2008年に至って実数もまた増加から減少に転じたのです。装置の作動から人口の減少まで、実に半世紀の時間がかかっている、ということになります。
とすれば、今後、人口を減少から増加に転じさせるためにも、ほぼ同様の月日が必要になる、と考えるべきでしょう。
先に述べたような単純な予測によれば、総期待肥大値が今後、1億2800万人の人口容量を切るのは2030年代と思われます。
その頃から、抑制装置が緩み始めるとすれば、実際に人口が減少から増加に転じるのは,半世紀後の2070~80年代から、ということになります。
もしも私たちがそれよりも早い回復を望む、というのであれば、総期待肥大値そのものを抑制して、一刻も早く1億2800万人の人口容量以下に抑え込む、という方向へ向かわなければなりません。
果たして、そんなことができるのでしょうか?
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