2017年9月17日日曜日

増加圧力とは何か?

生物的な人口増減原理については、何度も述べていますが、増加圧力の視点からもう一度確認しておきましょう。

生物学や生態学では「一定の空間において一種類の動物の数(個体数)は決して増えすぎることはなく、ある数で抑えられる」という現象が知られています。

その上限を「キャリング・キャパシティー(Carrying Capacity)」と名づけていますが、日本語には「環境収容力」とか「環境許容量」と訳されています。・・・【
人口減少の本当の理由:人口容量の限界化:2015年1月27日

動物の個体数は、このラインに近づくにつれて、自ら増加率を落とし始め、ピークを過ぎると、減少していくことがわかっています。

しかし、ある程度減少してキャパシティーにゆとりが出てくると、今度は下図のように再び増加に転じ、もう一度キャパシティーの上限まで増えていきます。そうして再度上限に達すると、またまた減少に転じ、さらにまたゆとりが出てくると増加となって、以後はキャパシティーの内側で増減を繰り返します。・・・
2015年1月27日2015年1月28日

図  魚の個体数変化




こうした現象は、人間の場合でも基本的には同じですから、人口容量が増えない限り、その人口もまた、容量の下で増減を繰り返していくことになるのです。・・・【
人口は回復しないのか?:2017年4月25日
現在、日本の人口は12,800万人という人口容量のもとで、130万人ほどゆとりが生まれています。このゆとりは、先に述べたように、2030年には613~1,149万人、2050年には1,246~2,332万人、2080年には3,481~5,516万人まで増えていきます。

膨大なゆとりの発生・・・これこそ生物的な人口増減原理に従えば、人口増加の圧力となるものです。

もし日本人口を少しでも回復させようと思うのなら、この圧力を巧みに利用しなければなりません

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