2016年11月18日金曜日

出産適齢女性人口はなぜ減るのか?

「少産化」の背景として、一般的にあげられている要因は、次の3つです

①出産適齢(15~49歳)の女性人口が減ってきた。
②晩婚や非婚を選ぶ人たちが増えてきた。
③結婚しても子どもを作らない夫婦が増えてきた。

人口抑制装置という視点でいえば、①は生理的(
生物的)抑制であり、②③は人為的(文化的)抑制です。


①の「出産適齢にあたる女性人口が減ってきた」ことは、先に述べたように、現代日本の人口集団が数十年の間に徐々に構造変化を続けてきた結果といえるでしょう。

この事象を「生理的(生物的)抑制」とみなすのは、一つの人口容量の中で一定の人口集団が増加・停滞・減少という過程を辿る場合、その内部では年齢構成が徐々に上昇していかざるをえない、という理由があるからです。

人口集団が
修正ロジスティック曲線を辿って増えていく場合、人口容量の上限に近づくと、出生数の減少で若年層の減少が、また死亡数の増加で老年層の減少がそれぞれ始まります。
 
内部の年齢構成では、曲線の進行につれて、
若年>老年 ⇒ 若年=老年 ⇒ 若年<老年
となるのが一般的ですから、逆ピラミッド化が次第に加速ていきます。

このため、人口が停滞・減少過程に入ると、さらに逆ピラミッド化が進み、それに比例して出生数もさらに減ことになります。

実際、下図に示したように、現代日本でも1990年以降、出産適齢女性人口の減少にほぼ比例して出生数もまた減少しており、この傾向は今後ますます強まっていくことが予想できます。
こうした意味において、出産適齢女性人口の減少=出生数の減少は、自然環境と生物の個体数の間の、いわば必然的な宿命を示している、ともいえるでしょう。

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