政府が検討している少子化対策の叩き台「子ども・子育て政策の強化について(試案)」によって、少子化=少産化が本当に克服できるのでしょうか。
前回述べたように、今回の対策のほとんどは、下図に示したとおり、少子化直接背景のうちの「夫婦間少産化」に向けられています。
しかし、前回も指摘したように、莫大な予算がかかる割には、効果にはかなり疑問があります。
そればかりか、巨視的な背景から見ると、このような対策は、人口容量を減らし、個人容量を増やすことで、長期的には人口を減少させる可能性もあります。
例えば、一方では福祉国家への負担を増加させ、他方では社会保障依存度を高める方向ともいえるからです。
とすれば、少子化対策はもっと巨視的な次元から行わなければなりません。
人口減少、つまり少産・多死化の真因は、人口容量の満配化による人口抑制装置の発動にあるからです。
この事実については、すでに8年前から、【人口減少は極めて〈正常〉な現象!:015年3月24日)から【人口抑制装置が的確に作動した!:2016年9月29日】などで、詳しく述べていますので、要点を再掲しておきます。
工業現波の人口容量1億2800万人が上限に近づくにつれて、さまざまな人口抑制装置が作動している。 ①人口減少は極めて〈正常〉な現象!:2015年3月24日・・・人口容量の制約が近づき、日本はさまざまな人為的抑制装置を作動させて人口を抑え始めている。 |
以上のように、人口容量が飽和した現代日本では、すでに人口抑制装置が動き出しているのです。
とすれば、人口維持対策や出産増加対策を打ち出す前に、こうした事実をまず冷静に理解するところから始めなければならないでしょう。
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