③多様な現象を擬人化した主体群による複合的物語・・・自然現象、動物、植物などを“擬人化”した、多様な主体によって、喜怒哀楽、対立和睦などさまざまな相互関係を説明しています。
④自然と人為の相互関係を識知・・・多くの神話では、自然環境に対する人類の対応作法を“文章”として述べています。
この2つについては、次のように展開できます。
第1は自然現象の擬人化です。
身分け能力が捉えた環境世界の自然現象の動きを、人間集団内部での喜怒哀楽といった相互関係に見立てて、そのアナロジーとして言語化しています。
第2は擬人化した自然現象に対する、人間の関わり方です。
天体、気象、動物、植物など人間以外の諸物を擬人化することにより、それらに対する人間の能動行動と受動行動を、言語によって表現しています。
第3は文章化による関係性の把握です。
人間の言分け能力は、擬人化された万物をまずは“単語”化し、次にそれらを繋ぐ、さまざまな関係を“文章”化によって表現しています。
この作用により、人間の行動が自然現象に影響を与えるとともに、それらの反応が人間に対して及ぼす、さまざまな影響という相互関係が表現されることになります。
この作用により、人間の行動が自然現象に影響を与えるとともに、それらの反応が人間に対して及ぼす、さまざまな影響という相互関係が表現されることになります。
こうしてみると、ミソロジーとは、擬人化と文章化によって、環境世界全体と人類の関係性を現そうとする、人間の英知ともいえるでしょう。
その意味でいえば、ミソロジー(mythology)という時代識知は、広義でのリレーショナリズム(relationalism:万物関係観)というべきかもしれません。
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