「人口容量」への負荷が強まるにつれ、増加を抑制するしくみが徐々に作動し始めますが、それを「人口抑制装置」と定義しなおし、その中身を「生理的抑制装置」と「文化的抑制装置」の2面から捉えました。
この点について、マルサスは『人口論・第6版』の中で、次のように述べています。
人口と生活資料の間に不均衡が発生すると、人口集団には是正しようとする力が働く。
人口に対してはその増加を抑えようとする「能動的抑制(主として窮乏と罪悪)」や「予防的抑制(主として結婚延期による出生の抑制)」が、また生活資料に対してはその水準を高めようとする「人為的努力(耕地拡大や収穫拡大など)」が、それぞれ発生する。
人口に対してはその増加を抑えようとする「能動的抑制(主として窮乏と罪悪)」や「予防的抑制(主として結婚延期による出生の抑制)」が、また生活資料に対してはその水準を高めようとする「人為的努力(耕地拡大や収穫拡大など)」が、それぞれ発生する。
この論理の前半を継承しつつ、オリジナリティー第3では、人口抑制について次のように説明しています。
仮説Ⅱ・・・人口は、人口容量が低下した場合、あるいは人口容量の上限に近づいた場合に、さまざまな抑制装置の発動によって、その増加を停止する。この抑制装置は、文化の安定している時には主として「文化的抑制装置」が、また文化の混乱している時には「生理的抑制装置」が、それぞれ発動する。
仮説Ⅱ-1・・・文化的抑制装置とは、人口が人口容量の上限へ接近した時、直接的抑制(死亡促進、妊娠抑制、出産抑制、人口分散など)、間接的抑制(生活圧迫、結婚抑制、家族縮小、家族・子どもの価値の低下、都市化・社会的頽廃化など)、政策的抑制(強制的な出産抑制、動乱・戦争、強制移動)といった文化的抑止力が自動的に作動し、単独もしくは複合的に人口増加を抑えるしくみである。
仮説Ⅱ-2・・・生理的抑制装置とは、文化的抑制装置が作動しない時に、体力低下、寿命限界、生殖能力低下、胎児や乳幼児の生存能力低下などが、自動的に作動するしくみである。
仮説Ⅱ-1・・・文化的抑制装置とは、人口が人口容量の上限へ接近した時、直接的抑制(死亡促進、妊娠抑制、出産抑制、人口分散など)、間接的抑制(生活圧迫、結婚抑制、家族縮小、家族・子どもの価値の低下、都市化・社会的頽廃化など)、政策的抑制(強制的な出産抑制、動乱・戦争、強制移動)といった文化的抑止力が自動的に作動し、単独もしくは複合的に人口増加を抑えるしくみである。
仮説Ⅱ-2・・・生理的抑制装置とは、文化的抑制装置が作動しない時に、体力低下、寿命限界、生殖能力低下、胎児や乳幼児の生存能力低下などが、自動的に作動するしくみである。
(古田隆彦『人口波動で未来を読む』1996)
つまり、マルサスのいう「能動的抑制(主として窮乏と罪悪)」と「予防的抑制(主として結婚延期による出生の抑制)」は、基本的に人類に限るものです。
人口波動説では、この考え方を継承しつつ、第4のオリジナリティーとして「人口抑制装置」という名称で、人類から動物全体に広げる視点を提案し、そのうえで、動物的・生理的・生得的なしくみを「生理的抑制装置」、人類に特有の人為的なしくみを「文化的抑制装置」として再構成しました。
このうち、人為的、文化的装置については、「人為的抑制装置には3つの次元がある!」(2015年3月17日)において、増加抑制装置と減少促進装置に分けて、すでに詳しくに述べています。
また、人類にとっては「文化的抑制装置」の方が先に作動し、それが遅れた時に「生理的抑制装置」が作動するという順序についても「人口抑制装置が作動する時」(2015年3月21日)で解説しています。
以上がオリジナリティーの第3と第4です。