「少産化」の背景として、一般的にあげられている要因のうち、出産適齢(15~49歳)女性人口の減少、結婚忌避者の増加に続いて、3番めは少子夫婦の増加、つまり「子どもを作らない夫婦が増えてきた」ことです。
「第15回出生動向基本調査(国立社会保障・人口問題研究所、2015)によれば、下図に示したように、夫婦の完結出生児数(最終的な出生子ども数の平均値)は1.94人で、2010年の1.96人に続いて2人を下回っています。
夫婦の半数以上(54.1%)が2人の子どもを持っていますが、子ども1人の夫婦の比率(18.6%)もまた上昇しているからです。
人口抑制装置という視点から見れば、これは人為的な抑制装置の作動であり、直接的抑制と間接的抑制の両面が考えられます。
直接的抑制とは、妊娠抑制(避妊、性交禁止)、出産抑制(堕胎、嬰児殺し)などをさしますが、これについては、すでに【直接的抑制装置も作動している!】(2015年4月10日)の中で述べています。
間接的抑制とは、家族や子どもの価値の低下、家族の縮小、都市化の進行、社会的頽廃化などを意味しており、これまた大略については【間接的抑制ではまず増加抑制装置が動いた!】(2015年4月17日)の中でデータなどを紹介しています。
両方を鑑みると、抑制装置は個々の夫婦の人生観や生活意識などのネウチ観と、子どもの費用・効果というネウチ観の比較の上で作動しているものと考えられます。
人口波動の進行によって、両者のバランスが微妙に変動し、それが有子・少子・無子という結果をもたらしているのです。
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